こんにちは、営業代行の河合です。
営業には「攻めの営業」と「守りの営業」の2種類があります。
攻めの営業:新規営業で新しく商圏を拡大する、新規案件を受注する。
守りの営業:既存客の商圏を守る、リピート注文をしっかりと受注する。
法人営業で売上を伸ばし、事業を拡大していくには、「攻めの営業」と「守りの営業」を車の両輪のように動かす必要があります。つまり、どちらか片方だけではダメなのであります。
売上を伸ばすには、攻めて攻めて攻め続けるイメージがありますが、本当は「守りの営業」の方が大切です。
この記事では、
・なぜ守りの営業が必要なのか?
・守りの営業で売上を伸ばすには?
について、ノーガードの右頬にストレートパンチを見舞うごとく、しっかりと解説させて頂きましょう!
Contents
守りの営業とは?
攻めの営業は、なんとなくイメージがつきます。「ああ、新規飛び込み営業で、顧客を1件でも増やすのだな」と。
しかしそれに対し、守りの営業って、イメージつきませんよね?
もしも会社で上司が、
「今日、俺は守りの営業に行ってくる。じゃ、またな。」
と言ったら、「なにが守りの営業だ、河川敷で昼寝しているに決まっている」と非難殺到ではありませんか?
ですが違うのです。
守りの営業は、河川敷で昼寝することではありません。守りの営業とは、次のように定義することができます。
既存客の売上を維持し、商圏を守る。
守りの営業とは何か?そのベストアンサーは、
「既存客の売上を維持し、商圏を守ること」
で、あります。
既存客の売上を維持するとは、つまり「リピート注文をしっかり受注すること」です。
法人営業はリピート注文(同じ商品を繰り返し注文する)が多い特徴がありますので、リピート注文を死守することで、既存客の売上を維持することができるのです。
また既存客の売上を維持することは、自社の商圏を守ることにもつながります。
POINT商圏とは?
商業施設、営業拠点が影響を及ぼす地理的な範囲のこと。その範囲の中で、さまざまな取引ができる。
既存客との取引(売上)があると、営業マンは通いやすくなり、さらなる営業をかけることができます。
しかし取引(売上)を失ってしまうと、営業マンは顧客のもとに通う理由を失ってしまいます。
商圏があれば取引業者として、なんの抵抗もなくお客さんのもとに通い、注文を独占できたのに、商圏がなくなると、お客さんのもとに通うことすらできません。
既存客の売上を守ることが、ひいては自社の商圏を守ることにつながります。
・既存客の売上を守る。
・自社の商圏を守る。
この2つを死守することが、守りの営業という訳でございます。
なぜ守りの営業が必要か?
では、どうして守りの営業は必要なのでしょうか?
「売上を増やしたいなら、新規営業に注力すればいいのでは?」
と思いませんか?
イエス、それがですね、違うのですよ。
売上が減るスピードは、増えるスピードの3倍以上。
守りの営業が必要な理由で最も大きな要因となっているのが、こちらでございましょう。
そうです、売上が減るスピードは、増えるスピードの3倍以上だからです。
体感的に、法人営業で新規取引が始まるまでに、順当に行っても3か月はかかります。
一方で、同業他社からの攻勢、イノベーション、自社のミスなどで売上が減る場合、1カ月もあれば潮が引くように売上は激減します。
「3年かけて育てた注文が、たった1か月で無に帰ってしまった・・・」
法人営業では取引額も大きいので、売上が引き上げると同時に血の気も引くのは言うまでもありません。
売上を増やすのはクソ大変です。
だからこそ、せっかく増やした売上は、死んでゾンビになろうとも減らしてはいけないのですよ。
お客様は、重度の浮気性である。
守りの営業が必要な理由は、お客様が重度の浮気性だからです。
お客様は常に新しい出会いを求めています。現状に決して満足などしてくれません。
ふう・・・どこかに安くて・早くて・高品質なサービスを届けてくれる白馬の業者様はいないのかしら・・・。
誠心誠意、お客様のために尽くしているのに、そりゃないだろ・・・と思うかもしれませんが、これが普通です。逆の立場で考えたらよく分かりますよね。
ですので、守りの営業が重要です。
浮気性のお客様から、常に「あなただけ愛しているよ」と言ってもらう必要があるのです。
守れない=信頼を失う=失った信頼は取り戻せない。
そして最後に少々刺激的な事実をお伝えしますが、売上(取引)を守れないことは、顧客との信用問題にかかります。
なぜなら自社サービスに満足できないから、他の業者に切り替えるのですから。
優しいお客様は言葉では言いませんが、つまりは、
「守れない=信頼を失う=失った信頼は取り戻せない」
ということですよ。
失ったのは注文だけではありません。同時に信頼を失っていることに気が付くべきです。
え?また御社から買いませんかって?
いや、でもあのとき対応悪かったしな・・・。
一度失った信頼を取り戻すのは、とても大変です。ですので、お客さんからの信頼は、たとえ身が亡ぼうとも離してはいけないのです。
どうでしょうか、守りの営業、死ぬほど大切だと思いませんか?
▽契約を切られたときの対応は、こちらでございます。
守りの営業の4つの鉄則。
「やべェ、守りの営業、おろそかにしてたよぉ、ごめんよぉ・・・」
ザンゲしたいお気持ち、よく分かります。私も時折反省します。
守りの営業は死ぬほど大切です。守りの営業は、次の4つの鉄則に基づいて実行していきましょう。
1・高品質の定期訪問(ルートセールス)を心掛ける。
営業の守りを固める第一歩は、高品質の定期訪問(ルートセールス)を心掛けることです。
顧客のもとを定期的に訪問するルートセールスの質を高めることで、あなたと顧客の絆はより深くなります。
ルートセールスは、新規営業のように魂が削られることがないので、格下に軽視しがちです。
しかしご注意下さいませ。
新規営業ばかりにかまけて既存のお客さんをないがしろにしていると、お客さんからそっぽ向かれてしまいますよ。
「契約したあとは知らん」とまではいかなくても、たまに顔を出すぐらいでは、お客さんは簡単に浮気してしまいますから。
▽ルートセールスを軽視していると、思わぬところで足元をすくわれ、売上が激減してしまいます。
2・顧客からの新規引き合いは、他社に渡さない。
営業の守りを固めるならば、顧客からの新規引き合いを他社に渡してはいけません。どんな小さな注文でも、すべて自社で受注すべきでしょう。
なぜならたった1件の小さな失注が、やがて大きなイノベーションになる恐れがあるからです。
最初は小さな注文でしょう。しかし小さな注文でもしっかり対応した実績は、金額に関係なく評価されます。
もしも他社があなたよりも評価されるような事態になれば、他社が大型案件を受注する日も近いでしょう。
ですので、どんな小さな案件も軽んじてはいけません。真摯に対応すべきでございます。
それは目先の金額の話ではなく、他社に付け入るスキを与えないためであります。
▽他社を出し抜くには、営業特有の直感も必要です。
3・ブログやSNS、メールを活用し、顧客と綿密につながる。
またネットが普及した現代で、ブログやSNSを活用しないのは非常にもったいないです。
ブログやSNSは個人の魅力を発信する最適なツールで、こまめに更新することで、顧客と綿密につながることができます。
新規顧客を開拓する目的でブログを更新するのも有効ですが、既存顧客へ向けた記事も忘れてはいけません。
既存客は、いわばあなたのファンでございます。ブログやSNSを通じて、ファンに向けた情報発信に力を入れ、守りを固めるべきでしょう。
4・最優先すべきものは、既存客の利益。
そして守りの営業で最も大切なのが、「最優先すべきものは、既存客の利益」というマインドセットを持つことです。
営業は「攻めの営業」と「守りの営業」の両輪を回すことが大切ですが、もしも何かトラブルがあったときは、迷わず既存客の利益を最優先に行動することが大切です。
それは、
・売上が減るスピードは、増えるスピードの3倍。
・注文を失うことは、信用を失うこと。
を考えれば、すぐに分かりますよね。既存客こそ、宝であり、事業の生命線なのであります。
未来のお客様ももちろん大切ですが、明日どうなるか分からない未来よりも、今現在の既存客を優先すべきです。
もしも不測のトラブルが起きたときに、既存客よりも見込み客(新規営業)を優先したならば、既存客からの注文を失い、その上見込み客も逃す、「2頭追うものは、1頭も得ず」となってしまいます。
▽絶対に忘れてはいけない営業マインドは、こちらです。
まとめ:守りを固めるからこそ、攻められる。
「守りの営業」と言われると、今一つピンとこないばかりか、「サボってないで、新規営業しろ!」とどやされそうです。
ですが守りの営業はとても大切なのです。
守りの営業を実践するときは、次の鉄則を踏まえることが大切です。
1・高品質の定期訪問(ルートセールス)を心掛ける。
2・顧客からの新規引き合いは、他社に渡さない。
3・ブログやSNSを活用して、顧客と綿密につながる。
4・最優先すべきものは、既存客の利益。
売上を伸ばし、事業を拡大させるためには、「攻めの営業」と「守りの営業」の両輪を同時に回すことが必要です。どちらか一方だけでは、ダメなのであります。
守りの営業は現状維持のように聞こえますが、売上アップは「現状を守れた人だけに与えられた、ボーナスステージ」でございますから。まずはしっかり現状の売上を守りましょう。
ぜひ素敵な営業を。それでは、また!
▽守りを固めるには、「お客さんの利益を第一に考える営業マインド」が最も大切です。
▽法人営業で売上を上げる方法は、こちらでございます。