こんにちは、河合商事の河合です。
「はいっ!では、外回りに行ってきます!」
そう元気に挨拶した営業マンは、本当に営業をしているのだろうか?
この疑惑は、営業マンを管理されている立場(社長・部長・課長など)の人なら、一度、いや毎日思っていることではないでしょうか。
外回りしている営業マンの実態を解明するには、「GPS」が便利であります。
営業車やスマホのアプリを活用し、営業マンを追跡、監視することができます。
「これさえあれば、サボりを摘発できる!」
GPSは営業マンを管理する魔法のツールのように聞こえますが、実際はそうでもありません。使い方によっては、逆効果になる場合もありますよ。
この記事ではGPSで営業マンを管理するときの、注意点、正しい使い方について解説していきたいと思います。
Contents
GPSはサボりの摘発に有効。でも・・・。
結論から申し上げますが、GPSを活用すれば、営業マンのサボりを摘発することができます。
どこで、だれと、何をしていたのか。
GPSを使えば、営業マンの行動が手に取るように分かるのです。
・お客さんのところに向かったと思わせて、公園に行ってサボっていた。
・会社に戻ると言いながら、自宅に帰っていた。
・外回り中、コンビニ行く回数が多すぎる。
GPSを設置するだけで、私たち営業マンの行動は丸裸でございます。ちょっとでもサボっていたら、すぐに上司にバレてしまいますからね。
営業マンを管理する立場の人は、営業マンの行動を把握することで、
「これで俺の部は、売上アップ間違いなしだな。くははははははッ・・・・!!」
と、思いますでしょうか?
しかしご注意下さいませ。
営業マンにGPSをつけて行動を監視したところで、あなたの求める売上は、残念ながら上がらないでしょう。
なぜなら、売上が増えないことと、営業マンを監視することは、問題の本質が違うからです。
問題の本質は、「売れる営業マンに変えること」。
営業マンにGPSをつけようかと思っているあなたは、きっと今の売上に満足していないからでしょう。
だから営業マンにGPSをつけようと思っているのですよね?
しかし結論から申し上げますが、営業マンにGPSをつけたところで、売上は上がりません。
99%上がりません。断言しましょう。
理由ですか?簡単でありますよ。
営業マンにGPSをつけただけで売上が上がるのなら、どの会社も売上が上がって楽勝ではないですか。
そういうことです。
世の中に「○○するだけで・・・」というイージーゲームはありませんから。
売上を上げたいのならば、やるべき問題は「売れない営業マンを、売れる営業マンに変えること」です。
売れない営業マンのサボりを摘発したところで、売れない営業マンは売れない営業マンのままです。
営業の基本から教え直して、売れる営業マンに変える必要があります。
GPSは営業マンのサボりを摘発するには最高のツールですが、売上をアップさせる魔法の道具ではありません。
まずはこの違いをしっかり認識して下さいませ。
GPSを200%有効活用する方法&注意!
しかしながら、GPSも使い方によっては、立派な営業支援ツールになります。
毎日頑張る営業マンをしっかりサポートし、売上アップに貢献する頼もしいツールになるのです。
ですが、使い方を間違えると、営業マンのモチベーションを落とし、売上も下がる可能性もありますよ。
そこでGPSを200%活用するための方法、そして注意点を解説していきましょう。
GPSの設置は公表しない。
GPSを活用するために最も大切なこと、それは営業マンにGPSを設置していることを公表しないことです。これだけは必ず徹底して頂く必要があります。
なぜなら、GPSが設置されていると分かると、ものすごく疲れるからです。
ただでさえストレスの多い営業の仕事なのに、GPSで監視されていると思うと、かな~り疲れるのですよ。
イメージとしては、
・勤務中、上司が常に同行して監視している
・トイレも食事も上司が同行して監視している
という状況ですね。
GPSを設置していることを公表すれば、サボる営業マンはいなくなるかもしれませんが、営業マンのパフォーマンスは下がります。
常に上司に監視されている状況が1日2日だけでなく、1週間、1カ月続くことを想像してみて下さい。
トイレにも上司が同行してくる感覚、いかがでしょうか?とても疲れませんか?
本来はお客さんとの交渉に万全の態勢で臨みたいのに、これではお客さんのもとに行く前に疲れてしまいます。
GPSをつけるときは、くれぐれも社員には公表しないで下さいませ。
世の中、「知らなければよかった」、なんてことばかりですから。
GPSを設置する前に、社員教育を徹底すべし。
そしてGPSを設置するならば、改めて営業マンの社員教育を徹底する必要があります。
サボる営業マンの摘発に抜群の威力を発揮するGPSですが、「売れない(できない)営業マンが、サボらないで営業するようになる」という副作用がございます。
つまり、売れない(できない)営業マンが、サボらないで営業することで、それまで発生しなかったクレームが起きる可能性がある、ということです。
言葉使いのなっていない、ビジネスマナーがなっていない。
こんなダメ営業マンがマジメにお客さんのもとに行くようになったら、どんな影響があるでしょうか?
この営業マン、来ない方がよかったのに、なぜ来るようになった・・・・。
「営業ならだれでもいい」という訳ではありませんよね。
「サボる営業マン=売れない営業マン=できない営業マン」と思って頂いて、ほぼ間違いありません。
GPSでサボりを摘発した結果、できない営業マンは仕方なく仕事(営業)をするようになりますが、それ自体が問題なのですよ。
失礼極まりない営業を繰り返しては、御社にとって逆効果、売上ダウン、顧客離反でございます。
ですので、GPSを設置してサボりを摘発するならば、できない営業マンへの社員教育を徹底する必要があります。
給与体系を見直す。
GPSを設置してサボりを摘発するならば、必ず営業マンの給与体系を見直すべきであります。
具体的には、より精度の高い成果主義の給与体系に変える必要があります。
その理由はただ一つ、GPSを設置してサボりを摘発することで、優秀な営業マンの離職を招いてしまうからです。
サボりの摘発に抜群の威力を発揮するGPSは、ちょっとしたサボりすら見逃すことはありません。
それはつまり、優秀な営業マンの「生き抜き」すらサボりとして摘発してしまうのです。
「ノルマを達成したから、ご褒美にちょっとサボろう。」
「お前、今日サボっただろ?ノルマ達成したからって、調子に乗るなよ?」
優秀な営業マンは、ノルマを早く達成し、時間を創り出すことが得意です。
しかしGPSは、創り出した時間もサボりとみなしてしまう危険があります。
営業マンの本来の仕事は何でしょうか?
営業マンは、本来、何によって評価されるべきでしょうか?
・・・結果ですよね?売上という名の結果ですよね?
だからこそ営業マンは、結果を出すために手段を選びませんし、会社は結果を出した営業マンを評価しなくてはいけないのです。
もしもこのバランス(評価システム)が少しでも崩れたら、優秀な営業マンはあなたの元を去ってしまいますよ。
売っても怒られる。売らなくても怒られる。こんな状態で、どうやってやる気を出すのでしょうか?
ひっそりと転職サイトに登録し、職場からいなくなるのも時間の問題でございます。
優秀な営業マンほど、簡単に辞めてしまいます。
だって優秀なんですもの。今の会社にしがみつかなくったって、活躍できる職場はたくさんあるのですから。
だからこそ、GPSを設置してサボりを摘発する前に、今一度給与体系を見直す必要があります。
より厳密な成果主義の給与体系に。売ったら売った分、報われる給与体系に。
そうしなければ、優秀な営業マンは去り、できない営業マンが残る、という残念な営業チームになってしまいますよ。
こんなデメリットも。GPSの悲劇。
また後日談ですが、GPSをつけてサボりを摘発した後、こんなエピソードを知っています。
サボることで有名だった社員にGPSを設置することで、それ以降、彼がサボることはなくなりました。
・・・いや、正確に言えば、一見サボりがなくなったように見えました。
それは彼の営業車が、常に動き続けていたからです。
一か所に留まることなく、一生懸命営業しているように、動き続けて見えました。
しかし、よくよく動きを解析してみると、
・ショッピングセンター内の駐車場を走り回っている
・お客さん周辺の道路をぐるぐる回っている。
・あてもなくドライブしている。
動いているだけで、結局は営業していない。つまりサボっていたのです。
これが意味するのは、GPSはサボりの摘発には有効ですが、サボる社員を更生する力はない、ということですね。
つまるところ、やはりGPSを設置する前にやるべきは、「社員の再教育」、ということになりましょう。
まとめ:GPSはサボり摘発に優秀。でも売上は上がらない。
「あやつのサボりを暴いてやる・・・!」
サボりを摘発し、売上アップを目論むためにGPSの設置は有効です。
しかしGPSを営業マンに付けるときは、次のことに注意するようにしましょう。
1・GPSの設置は公表しない。
2・GPSの設置の前に、社員教育を徹底する。
3・給与体系を見直す。より精度の高い成果報酬制度が必要。
「外回りしてきます!」と言って出かけて行く営業マンの99%は、何かしらの形でサボることがあります。
GPSを使えば、そんな営業マンを一網打尽に摘発することができるのです。
しかしご注意下さいませ。
GPSは使い方次第では優秀な営業支援ツールになりますが、使い方を間違えると優秀な営業マンを追い出す道具になる可能性があります。
売上が増えないのは、営業マンがサボるからではありません。
そもそもの営業の方法が間違っているのです。
営業はとても難しいですが、その一方で奥が深く、非常にやりがいのある仕事です。
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素敵な営業を。それでは、また!
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