こんにちは、河合商事の河合です。
コロナ渦をきっかけに一躍着目されたのが、在宅/テレワーク。
出社が当たり前だった企業も検討するなど、普及の片りんがみられました。
しかし実際に在宅/テレワークを導入してみると、切実な問題にぶつかります。
・社員のモチベーションが上がらない。わからない。
・社員の仕事ぶりが分からない。評価できない。
・社員とのコミュニケーションが疎遠になる。
在宅/テレワークでの課題を列挙してみると、組織崩壊フラグかと間違うかのような深刻さ。
ゆえにコロナをきっかけに普及の片りんこそあれど、現在ではサブ的な位置づけで留まっているのでしょう。
「在宅/テレワークは、導入が難しい」
多くの企業がそう感じる中、しかしながら弊社は完全在宅/フルリモートを貫き7年になりました。
手探りの中完全在宅/リモートワークで組織構築し、多くの成功、失敗を経験する中で、独自の「在宅/リモートワークの導入ポイント」を磨き上げました。
そこで本日は在宅/リモートワークの失敗、成功事例を共有しながら、組織風土に根付かせるポイントについて解説させて頂きます。
結論を申し上げますと、やはり在宅/リモートワークのポテンシャルは高いといえるでしょう。
一度失敗した程度で諦めるのは早計です。ぜひ粘り強くチャレンジしていきましょう!
Contents
「在宅リモートワークなら場所を問わずに働ける」はウソ!?
在宅リモートワークの成功失敗を考える上で大切な概念がございます。
それは「在宅リモートワークは、本当に場所を問わずに働けるのか?」、というそもそも論に向き合うこと。
結論から申し上げますと、在宅リモートワークは、自宅をオフィス化する必要があるため、「どこでも働ける」は半分は間違い、ということになります。
在宅リモートワークを長く続ける、組織に根付かせるには、PC/業務環境の整備が必要です。
それはオフィスに出社しないだけであり、オフィス化した自宅に毎日出勤するイメージ。
この根幹を置き去りにしたまま枝葉の施策(社員のサボり対策など)を打っても、的外れになりがちです。
逆に「オフィス化した自宅に毎日出勤する」をベースに制度を整備していくと、「機能する在宅組織」が構築できます。
新しい概念がゆえにイメージ難しいですが、在宅リモートの失敗・成功パターンを共有しながら、成功の秘訣を紐解いていきましょう。
在宅リモートワークの失敗パターン
在宅リモートワークで「思うような成果が出なかった」と感じる場合、会社側も働く側も「失敗した」と感じやすいです。
在宅環境で業務の成果が出せない場合、その理由は次のような場合が多いです。
PC環境、ITリテラシーの不足。スキルを発揮する土壌がない。
通常のオフィス出社の場合、その分野でのスキル・経験があれば成果を発揮するはずです。
しかし在宅リモートワークの場合、もちろんスキル・経験も重要ですが、それ以前の問題として、
・PC環境が整っている(一定以上のスペックのPC)
・ネット回線環境が整っている(一定スピード以上のネット回線)
・ITリテラシーが高い(説明されなくても、一定以上のPC操作が可能)
などの条件をクリアしなければ、成果を出すのが難しいでしょう。
これは成果を出すための土壌のようなイメージで、たとえ業務のスキル・経験があったとしても、PC操作に躓いてしまい、業務までたどりつけない状態になってしまうからです。
とくに落とし穴になりがちのが、
・PCスペック
・ネット回線の速度
という、ハード面。
本人のスキルとは関係ないのですが、在宅リモート環境では、「PCスペック=本人のスキル」ともなりがちで、たとえ一定以上のPCスキルを有しても、肝心のPCがフリーズ多発しては業務どころではありません。
業務環境が整ってない。
在宅リモートワークで失敗しやすいのが、業務環境の整備です。
在宅リモートは「自宅でも仕事ができる」「場所を問わずに仕事ができる」ではなく、正しくは「自宅をオフィス化する」イメージ。
ゆえに自宅がオフィス化されておらず、
・リビングの一角で仕事をしている。
・家族の往来がある環境で仕事をしている。
・モニターの小さなノートPC一台で仕事をしている。
という環境では、オフィスよりパフォーマンスが下がりがちです。
オフィス同等のパフォーマンスを出すには、やはり業務環境もオフィス同等に近づける必要があり、そこから距離が離れるほど成果が出ない環境になってしまいます。
業務環境も本人のスキル、モチベーションとは関係ないところですが、在宅リモート環境では、「どんな環境で在宅ワークするか?=本人のパフォーマンス」に直結してしまうのですよね。
コミュニケーションの質と量の不足。
在宅リモートワークでの失敗は、コミュニケーション問題を甘くみた結果によるものがあります。
在宅リモート環境ではオフィス出社に比べてコミュニケーションの質と量が不足する。という予想はするものの、実際にやってみると予想を超える質と量の不足に気が付くケースがあります。
オフィス出社であれば同じ空間を共有することで、わざわざ話しかけなくても一定の存在を感じますし、視覚的にもお互い何の業務をしているか理解できます。
しかし在宅リモートワークでは、暗黙の共有は存在しません。話かけなければ相手状況はまったくわからず、しかも送付メッセージのレスポンスが遅いと、会話のラリーが極端に減ってしまいます。
さらにZOOM接続した状態でもカメラに映る情報しか共有されず、表情、しぐさ、目線など、感情の変化を読み取るのが苦手です。
極論、今、ZOOMで話している相手が見ている画面はあなたの画面ではなく、YouTubeかもしれない・・・。
という環境の中、コミュニケーションを取るのが在宅ワーク。
コミュニケーションの質と量の不足への認識が甘いと、残念ながら在宅ワーク導入は失敗につながりやすいです。
在宅リモートワークに適した評価制度がなく、努力の仕方が分からない。
在宅リモートワークの中でも悲しい結末になりやすいのが、このパターン。
お互い整ってない環境の中、模索して業務をするものの、在宅ワークに適した評価制度がないために、努力の方向性を間違えてしまうのですよね。
オフィス出社と在宅リモートではそもそもの環境が違うため、同じ評価制度の物差しで測れません。
オフィス出社では同じ空間を共有して業務を進めるため、メンバーが逐一報告しなくても仕事ぶりは物理的に見える状況でした。
しかし在宅リモートでは、小まめな報告がなければ何をどこまで進めてるのか分かりません。
評価者に仕事状況が伝わってなければ、「本当に仕事してたの?」と疑心を生む結果に。発生した亀裂はメンバーにも伝わりやすく、「努力したのに、評価されてない」と溝が深くなり、そして埋まることなく・・・というケース、たくさん見てきました。
それもこれも、在宅リモートに適した軸となる評価制度がなかったから。
・何をどうすれば評価する/されるのか?
・評価はどの項目をチェックするのか?
・それがどの程度給与に反映されるのか?
お互いが迷ったときに戻れる軸がないと、まったく方向違いに進んでしまい、その後二度と会わないことになってしまいます。
在宅リモートワークを成功させ、組織風土に根付かせるには?
在宅リモートワークは、単純に「オフィスに出社しないだけ」ではなく、根本的にオフィス出社とはまったく違う制度(働き方)と考える必要があります。
組織に根付かせるにはこれまでとは違った文化が必要であり、以下のポイントを抑えた組織構築が大切です。
高性能PC、仕事に集中できる業務環境を整える。
在宅リモートワークで重要になるのが、PC環境。そして業務環境です。
メンバーの業務スキルが高くても、業務環境が整っていなければ、そのスキルは発揮されません。
自宅のオフィス化が必要であり、
・仕事に専念できる部屋
・広い机
・一定スペック以上のデスクトップPC(メモリ16G以上推奨)
・デュアルモニター
・高画質カメラ
・高音声マイク
・長時間座っても疲れない椅子。
などの設備を整えることをおすすめします。
最初はオーバースペックと感じるかもしれません。しかし大切なのは、「メンバーのスキル < PCスペック(業務環境)」という状態に常にしておくこと。メンバーのスキルよりPCスペックが上回っていれば、そのメンバーのスキルは120%発揮されるはず。(理論的には)
逆に「メンバーのスキル > PCスペック」という状態になってしまうと、業務のパフォーマンスはPCスペックに足を引っ張られることになります。同様にPC以外の業務環境も同じです。
在宅リモート環境では、お互いのコミュニケーションが不足し、少しの行き違いが、大きな溝を生むことはザラにあります。
PC環境でチームの足を引っ張らないよう、設備投資は手厚く行うことが大切です。
高速で安定したネット回線を導入する。
意外と見落としがちなネット回線。
在宅リモートワークだからと言って、働く側に任せてしまうのは危険です。
なぜなら在宅リモートワークは、クラウド環境で業務を進めるから。ネット回線の良し悪しが、そのまま業務パフォーマンスに直結してしまいます。
・PC動作が遅い。
・PCが途中でフリーズする。
・会社データベースに接続できない。
ネット回線が遅く、不安定な場合、そもそも業務にならない状況になってしまいます。
最近はwifiが主流になりましたが、速度と安定性は有線に叶いません。wifiで安定しない場合、有線で接続するなど対策が必要です。
コミュニケーションの量を担保する即レス文化を。
在宅リモートワークのコミュニケーションを侮ってはいけません。
お互い顔が見えない環境の中仕事を進めることは、想像以上に不信感が増すものです。
不足するコミュニケーション環境の中でもお互いの信頼関係を保つポイントは、コミュニケーションの量を増やすこと。
コミュニケーションの量を増やすことで、お互いの状況が共有できるようになり、「場所は離れているけど、同じ空間を共有している」、とよい錯覚を生み出せます。
在宅リモートワークの場合、テキストコミュニケーション主体になります。チャット機能など活用することで、できるだけメッセージ送付のハードルを下げる工夫が必要です。
また相手からのレスポンスに即時返信することで、オフィス出社に近い会話が可能。在宅リモートワークの場合、「即レス文化」の徹底が、組織に根付くターニングポイントになります。
1on1の定期開催ももちろん大切ですが、そもそも1on1をやらなくても常に会話できている状態がベストですからね。
コミュニケーションの質を深める、顔を合わせたコミュニケーションを。
在宅リモートワークを組織に根付かせるなら、顔を合わせたコミュニケーションの文化が不可欠です。
オンラインMTGツール(ZOOM,Teamsなど)を活用し、お互い物理的に見える環境でコミュニケーションします。
キャッチできる情報が増えるほど信頼感は増す傾向があり、
・声色
・表情
・視線
・しぐさ
・服装
など、受け取る情報が増えるほど、コミュニケーションの質が深まります。
逆にオンライン通話でも、
・カメラオフで顔が見えない
・定期的に接続しない。
・要があるとき(業務報告など)しか接続しない。
では不信感を招き、逆効果になりがちです。
したがって在宅リモート環境を成功させるには、「当たり前のように、顔を合わせて会話できる」ことがポイントであり、
・業務時間は常時オンラインMTGに接続する。
・カメラはオンで会話する。
・朝礼、昼礼など、全員が集まる機会を作る。
などの工夫が必要です。
「常時接続しながら業務をする」については、たとえばZOOMであればブレイクアウトルーム機能があり、同一回線の中に個室が作れます。
朝礼、昼礼やコミュニケーションでは顔を合わせて対面する一方で、業務を進めるときは個室で集中する・・・という使い方も可能です。
業務を数値化し、努力の方向性を迷わせない。
在宅リモート環境では、メンバーの努力が物理的に見えません。一生懸命仕事をしていた・・・かもしれませんが、まったく見えません。
最終的な成果(業績など)が好調であれば万事OKだったとしても、在宅に適した評価制度がない状態では、業績が傾いた瞬間にもろく崩れてしまいます。
在宅リモートワークでは、業務の数値化が欠かせません。
・どの仕事を何件したか?
・何件の仕事をするのに、何時間かかったか?
・その仕事の難易度は、レベルいくつか?
・出勤率、欠勤率、離席率など勤怠ステータスは?
オフィス出社であれば、ここまで細かな評価制度がなくても組織が回せたかもしれませんが、在宅リモートでは業務毎に数値化できるようにします。
在宅リモートを導入する以上、ある程度DX化は進んでいるはず。その一環で、業務プロセスをDX化し、CRMを構築し、メンバーが業務した内容がデータベースに自動的に蓄積させます。
数値は迷ったときに、お互いが立ち戻る場所です。数値化された結果があるからこそ、いざ不協和音が発生したとき、その数値を共通認識として話し合いが成立します。
逆に数値がない状態を考えると、揉めたときに共通認識がなく、お互いの話は平行線に・・・。
数値で判断する組織文化は、冷たい印象があるかもしれませんが、在宅リモート環境では努力の方向を迷わせず、気持ちよく働くためのベースとなるのです。
まとめ:在宅リモートは、ポテンシャルの高い制度!
コロナがきっかけで在宅リモートが注目されましたが、まだまだ新しい働き方であり、整ってない、ノウハウが出そろってない部分が多々あります。
それゆえ手探り状態となり、ときとしてヤケドを負うかもしれません。
しかし在宅リモートワークを7年もやると、改めてそのポテンシャルの高さに気が付きます。いえ、ポテンシャルが高いからこそ、ここまで続いてこれたとも言えるでしょう。
在宅リモートワークの成功は、次のポイントが重要です。
・自宅のオフィス化!高性能PC、仕事に集中できる環境(机、椅子など)に投資。
・高速で安定したネット回線を導入。必要であれば、有線を検討。
・即レス文化で、溝を発生させない。コミュニケーションの量を増やす。
・顔を合わせて当たり前の文化を。コミュニケーションの質を深める。
・数値に基づく評価制度で、努力の方向性を迷わせない。
とくにハード面の設備投資は重要です。
在宅リモートワークは場所と問わず、どこでも働ける、ではなく、自宅のオフィス化が必要な働き方。ハード面がボトルネックになってしまうと、メンバーの能力が高くても、性能の低いPCスペックにパフォーマンスは抑えられてしまいます。
快適な環境を構築し、在宅リモートのパフォーマンスを引き出していきましょう!
アウトソーシングでコア業務に集中!
在宅リモートワークでは、アウトソーシングを活用することで、メンバーはコア業務に集中できます。
評価制度の構築に課題の残る在宅リモート環境では、ノンコア業務は社外に任せてしまうのも賢い選択です。
弊社では営業のアウトソーシングとして、テレアポ代行・インサイドセールス支援を行っております。
工数のかかる新規開拓の営業プロセスを丸ごとアウトソーシングできますので、社内メンバー、マネージャーの負担を減らすことが可能です。
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