こんにちは、河合商事の河合です。
右を向いても左を向いても、営業DX。からのSFA・MAツールの導入しませんか。
・・・ええ、もう耳にイカができてしまいそうな状況ですよね。
営業効率を上げて、今の人員でもっと売上げを伸ばしたい。
あわよくば営業コストを削減したい。
これは経営者、また事業部長にとっては、当然のお考えかと思います。
「効率化・コスト削減を実現するために、本当にSFAツールの導入は必要なのか・・・?」
結論から申し上げますと、ツールの導入だけなら見送った方がいいでしょう。
なぜならツールはツールであり、御社の課題を解決する魔法のツールではないからです。
ツールを使う側の人間、つまり御社の社員、組織体制から見直さなければ、ツールの持ち腐れになってしまいます。
では営業DXによる、営業の効率化・コスト削減は、どのように導入するべきなのか?
弊社は営業のアウトソーシング会社として、それぞれのクライアント様の「リアルな営業現場」をサポートさせて頂いている立場でございます。
いわゆる「ポジショントーク」抜きで、リアルに感じる営業DXについて解説させて頂きましょう。
Contents
「SFAツールは大切ですよ」という大前提。
まずはじめに申し上げさせて頂きますが、私は
「SFAツールなど必要ない!」
「営業マンたるもの、デジタルではなく、足で稼いでナンボだ!」
「SFAツール?よく分からんが、エクセルで十分だろ?」
という考えではありません。
むしろ営業DXを実行する側の人間として、SFAツールの有難みを日々かみしめておりますし、ツールを開発した企業の努力に脱帽しております。このツールは画期的でございます。
弊社はパッケージされたSFAツールこそ導入してないものの、社内の営業情報はすべてオンライン上で共有しており、1つの案件を複数の担当者が追跡できるようなシステムを構築しております。
(この状態、あと10年もすると「自社SFA」などと呼ばれるかもしれませんね)
自社SFAを使い、営業DXの有難みと恩恵を感じながら、日々の業務をこなしているからこそ思うのです。
「大切なのはツールじゃなくて、ツールを使いこなせる環境だよな」
「ツールを導入する前に、営業のフォーメーション(人員配置)を真剣に検討するべきだよな」
と。
SFAツールは優秀なツールで高機能であります。お値段もけっしてお安くはありません。
だからこそ、ツールの持ち腐れになってはいけないと強く感じるのです。
ツール(SFA)よりも営業モデルを見直すべき理由。
「SFAツールは必要。でもその前に営業モデルを見直すべきだ」
そう感じるのは、営業DXによって「新しい営業モデル」が実現できるようになったからです。
「新しい営業モデル」に対し、従来型の営業モデルは「一人の営業が1社の顧客対応をすべて行う」というスタイル。
【従来型営業モデル】
・1社の顧客に対し、一人の営業マンが担当になる。
・顧客の対応を、一人の営業マンがすべて行う。
・営業マンが担当から外れるとき、別の営業が引き継ぐ。
・新規営業で獲得した顧客は、獲得した営業マンが今後も対応していく。
多くの企業の営業組織は、営業マンと顧客がマンツーマンで向き合うモデルを採用していました。(現在進行形でもあります)
このモデルの最大の強みは、新規営業~継続取引まで、ビジネス(商売)の全工程を一人の人間が担当することで、人間味のある、きめ細やかな対応ができること。
さらに法人営業では1社あたりの取引額が大きくなるので、専任者を1人決めて、徹底的にフォローする営業戦略は非常に有効です。
非常に有効な従来型の営業モデルですが、同時に根深いデメリットもあります。ですので、
「今の従来型の営業モデルで根深い問題を抱えたまま、最新のツールだけ導入しても期待できる効果は難しいかも」
と感じるところがあるのです。
①従来型営業モデルの限界|担当がいないと、すべての情報がブラックボックス化。
もしもし?○○さんに依頼した件、ほかに分かる方いますか?
申し訳ございません・・・
○○しか分かるものがいなくて・・・
・・・また改めます!ガチャリ
これはどの企業でも見られる、営業あるあるではないでしょうか?
1人の営業マンが顧客対応をすべて行うため、ほかの社員に情報が共有されていないパターンです。
そのため担当者がいないと、すべての情報がブラックボックス化してしまいがちです。
・顧客からの問い合わせに答えられない。
・担当者がいないと対応できない。
・担当が変わると、イチから引継ぎしないといけない。
顧客情報や営業ノウハウが俗人化してしまうため、営業の組織力が活かしにくい営業モデルです。
また顧客側からこのフォーメーションを揶揄する表現として、
「とはいっても、担当する営業マン次第だけどね」
という表現があり、担当する営業マンがよければ売上が伸びる一方で、残念な営業マンが担当になると契約が打ち切られてしまうのも、このモデルの限界かもしれません。
②従来型営業モデルの限界|熟練営業が既存対応で手が一杯に?
従来型の営業モデルでは、新規営業で獲得した顧客は、獲得した営業マンが責任をもって対応します。
そのため売れる営業マンほど、やがて既存顧客を多く抱えるようになり、新規営業の頻度が下がっていく傾向に。
これは売れる営業マンに限った話ではなく、勤続年数が長く、経験豊富な「熟練営業マン」も、既存顧客の対応に追われがちになります。
企業を永続させるには、新規営業は不可欠なはず。
しかし従来型のモデルでは、経験豊富な売れる営業ほど既存顧客の対応に割かれることになり、結果的に「新規開拓=まだ担当が少ない新人の仕事」のような図式になりがちです。
もちろん、新規営業はビジネス(商売)のイロハを学ぶ絶好の機会なのは、間違いないこと。
しかし新人に任せるにしては、重要度の高すぎる仕事です。そのためか、
「売れるまで帰ってくるな!」(過剰なノルマで追い立てる)
「とにかく訪問件数だ!足で稼げ!」(ノウハウを教える暇がない)
「強引にでも契約してこい!」(苦し紛れの奥の手発動)
など、営業組織がブラック化してしまう原因の1つになってしまいます。
新規営業は、会社の永続を左右する重要なミッション。
だからこそ、キャリア豊富な熟練営業マンが最前線に出る必要があるのですが、残念ながら従来型営業モデルでは、それが実現しにくい構造になっているのです。
③従来型営業モデルの限界|その成果は誰のも?「俺の顧客」にこだわる問題。
そして根深い問題ですが、表面化しにくいのが、こちらの課題ではないでしょうか?
従来型営業モデルは、担当する顧客の売上によって、「自分の成績=給料」が決まる体系です。
つまりはっきりと声に出さなくても、
「それは俺の顧客か?」
「それは俺の数字になるのか?」
という、営業マンとしては極めて当然な本音が存在するのです。
新規の問い合わせが入り、SFAツールを活用し、チームとして取引成立した場合。
その顧客の担当は誰で、誰の売上になるのでしょうか。
従来型営業モデルの報酬体系のままでなく、新しい報酬体系を模索する必要があるでしょう。
営業DXの新しい営業モデル|SFAにより3部隊の連携を。
SFAのような営業DXを推進するツールは、従来型営業モデルではなく、分業化された「新しい営業モデル」でこそ、真価を発揮します。
営業DXにより情報が可視化・共有されることで、これまで一人の営業マンが担当していた業務を分業化が可能になりました。
・集客~商談獲得まで(インサイドセールス)
・商談~成約まで(フィールドセールス)
・取引開始~継続取引まで(カスタマーサクセス)
※集客にマーケティングを含める場合もありますが、ここでは集客に含めます。
営業を分業化することで、社内の別部署に回すことも可能ですし、アウトソーシングとして外に出してしまうことも可能です。
SFAツールを導入するならば、営業組織が「分業化された営業モデル」であることが望ましく、仮に分業化されていなくても、今後分業化を進めていく前提であることが必要でしょう。
集客~商談獲得まで(インサイドセールス)
従来型営業モデルでの仕事で例えますと、
・テレアポ
・飛び込み
・DM、ポスティング
・メールマーケティング
がそれに該当します。
1人の営業マン、それぞれが個別に戦うモデルでは、「各人が頑張る」しか取れる戦略がなかったところ。
しかし営業DXで分業化してしまえば、それぞれを「それぞれのプロにお任せする」という新しい選択肢が選べます。
・営業支援会社に外注する。
・社内で専門の部署を立ち上げる。
・部署内で、専門のプロを雇う。
どの選択肢を選んでも、営業DXにより必要な情報は一か所に集まります。
商談化までのフェーズが自動化(内製化・外注化)できることで、自社の営業マンがテレアポや飛び込みをする必要がなくなります。
営業マンを採用する本来の期待としては、
「テレアポを頑張って、商談をセッティングして欲しい!」
ではなくて、
「商談に出て、ガンガン注文を取って欲しい!」
「はじまった取引で無双して、売り上げを伸ばして欲しい!」
ではないでしょうか。テレアポ要因として営業マンを採用していては、採用コストも合いません。
営業を分業化することで、導入したSFAツールが真価を発揮するのです。
商談~成約まで(フィールドセールス)
商談~成約は、まさに営業マンの腕の見せ所です。
顧客の本音を探るヒアリングスキルは、長年の営業キャリアが生み出せる熟練の技。若手がすぐにマスターできる代物ではありません。
しかし「熟練営業マンが商談した内容が、その営業マンしか分からない状態」というのは、会社として大きな機会損失でしょう。
営業DXにより貴重な情報を横展開すれば、
・商談内容をテレアポ部隊にフィードバックする。
・商談の成功事例を、ほかの営業にリアルタイムで共有する。
・商談でのニーズから、マーケティング(集客)戦略を見直す。
など、取るべき戦略の幅が一気に広がります。
ここまでくると、もうSFAツールは空気のようなもの。
目に見えないほど馴染んでいるが、ないと秒で苦しくなります。
取引開始~継続取引へ(カスタマーサクセス)
取引開始~継続取引のフェーズでも、SFAツールは大いに役立ちます。
取引後の顧客情報、営業アクションが可視化されるため、適切なフォローが営業チームとして行えるからです。
従来型営業モデルでは、
「新規獲得した顧客は、獲得した営業マンが責任をもって対応する」
というスタイルのため、売れる営業マンほど既存顧客を多く抱え、新規営業に手が回らない状況になりがちでした。
しかし営業を分業化し、既存顧客へのフォローもチームで行うので、売れる営業マンが新規開拓に集中できる環境を作ることも可能です。
経営者・事業部長としては、売れる営業マンがガシガシ新規をとってくれる状況、涙が出るほど有難いのではないのでしょうか。
獲得した案件は、チーム全員で死守。もちろん、営業情報は共有されるので、最初に対応した営業マンも情報を見て対応することも可能です。
分業化で真価を発揮るSFA。ツールだけでなく、営業モデルの変更を。
ちまたでよく聞くSFAツール。
本当に便利なツールだと思いますし、弊社も自社SFAツールを活用し、営業を分業化しております。
だからこそ思うのですが、
「SFAツールは従来型営業モデルでは力を発揮しにくく、分業化された営業モデルでこそ真価を発揮するな」
と感じます。
SFAツールの導入目的が、「各営業マンが行っている業務の見える化」だけではもったいありません。
SFAツールのポテンシャルは高く、今の営業組織で抱えている根深い問題まで解決できる力を秘めています。
だからこそ、ただツールを導入するだけでなく、
「これからの営業をどう進めるか?」
の、営業モデルから見直しを検討することをおすすめしたいです。
弊社はツールの販売会社ではなく、いち営業支援会社であります。
多くのクライアント様の営業支援をさせて頂く中で、分業化された営業組織の強さを感じます。
営業DXにより、今後ますます営業プロセスが細分化され、それぞれの領域がプロ化していくことが予想されます。
ぜひその波に乗り遅れることなく、SFAツールとも上手に付き合って頂ければ幸いでございます。
最後になりますが、営業の分業化をするなら、商談化までのフェーズ(アポ獲得)は外注化がおすすめさせて頂きます。
ややポジショントーク気味になって恐縮ですが、断られることの多い新規アプローチに、自社営業マンの時間を割くのは非常にもったいないかなと思う次第です。
外注化させることで、どれくらいの費用で、どれくらいの効果が見込めるのか、シミュレーションさせて頂いておりますので、お気軽にお問合せくださいませ。