こんにちは、営業代行の河合です。
「新規営業だ!どんどんお客さんに飛び込めぇぇーーーーーっ!!」
と、上司が叫びはじめたら、戦々恐々です。
なぜなら新規飛び込み営業なぞ、誰もやりたくないからです。
・クソ暑くても、凍えるほど寒くても、ひたすらに飛び込み営業。
・せっかく訪問したのに、門前払い。インターホンを鳴らしただけで終了する。
・ようやく担当者に面会できても、価格の安いネット系企業に太刀打ちできない。
・1日飛び込み営業をしても、成果が出ない。帰社すれば上司に絞られる。
自分で書いていて驚きましたが、これはまさに営業地獄絵図じゃないですか・・・。
これでは誰も新規飛び込み営業なぞ、やりたくないですよね。
それにも関わらず、「新規顧客獲得=新規飛び込み営業」と位置づけ、かたくなに社員に特攻させる企業もあります。
これだけネットが普及した現代なのに、いまだに飛び込み営業がなくならないのも、ある意味不思議だと思いませんか?
そこでこの記事では、
・新規飛び込み営業のメリット・デメリット
・新規飛び込みを活用する営業戦略
について、極めてクールに解説させて頂きたいと思います。
新規飛び込み営業のメリット
「あれほど非人道的な飛び込み営業に、メリットなぞない!」
飛び込み営業をやらされる側として、そう思うお気持ちはよく分かります。
ですが、やはり飛び込み営業がなくならないにはそれなりに理由があるように、飛び込み営業にはメリットがあるのです。
スピード感をもって、新規顧客を獲得できる。
新規飛び込み営業のメリットは、スピード感をもって新規顧客を獲得できることです。
飛び込み営業は元手ゼロ、準備ゼロですぐにスタートできます。なんなら部長の掛け声さえあれば、準備なぞしなくともその日のうちから新規開拓をはじめられます。
通常、新規開拓をするには入念なリサーチと準備が必要です。
・商品のメリット、顧客に与えるベネフィット(利益)とは?
・商品を欲しいと思うターゲットは?地域、会社規模、業界は?
・どんな手法でアプローチするのか?成約までの理想的な流れは?
実際にお客さんのもとに訪問するまでに、やるべき準備はたくさんあります。
どの企業もこの重要性は知っているのですが、いかんせん考え始めると抜け出せないのですよね。
新規顧客を獲得するプランを1週間も考えてるのに、一向に妙案が浮かばないぃぃ・・・!!
考えることはもちろん重要ですが、いくら考えたところで売上は増えません。なぜなら行動していないからです。実にシンプルですね。
ですので「行動が大切だ、考える前に行動しろ!」と、飛び込み指令が下るのです。
「行動が大切」にも一理ありますが、考え抜いた営業戦略が「絵に描いたモチ」であり、現実離れして役に立たないことも多々あります。
ですが飛び込み営業なら、まず行動しているので不要な準備を一切することなく、新規顧客の獲得に動き出せます。
営業の精度は低く、コストパフォーマンスも悪いですが、顧客を獲得できる確率はゼロではありません。
その結果、スピード感をもって新規顧客を獲得できるのです。
商売の本質、大切なことを理解できる。
新規飛び込み営業のメリットは、商売(ビジネス)の本質や大切なことを理解できることです。
「商売の本質」と書くと、なにやら難しいビジネス用語を連想しますが、いいえ、違うのですよ。
商売の本質とは、義理と人情でございます。
ビジネスは理論で動いているように見えますが、本当は感情で動いています。
それを肌で感じて学べるのが、飛び込み営業なのです。
飛び込み営業では、どんな営業マンも苦戦します。
多くの訪問で門前払いを受け、受付の人から害虫駆除を受け、担当者に冷遇されるときもあります。
ですが飛び込み営業は、それだけではありません。
苦労のすえにようやく面会してもらえたお客さんから、「かわいそうだ」と思って頂き、引き合い(チャンス)をもらえるときもあります。
頂いた引き合いに誠意をもって回答すれば、大きな取引になるかもしれません。
お客さんから頂いたのは「課題」ではなく、「恩」でございます。
お客さんにお返しするのは「利益(ベネフィット)」ではなく、「義理」でございます。
「商売は、義理と人情。それとほんの少しのビジネスセンス。」
と言われるとおり(当社談)、ビジネスの世界は義理の人情でできております。
これを実感できるのは、新規飛び込み営業です。
新規飛び込み営業は、ビジネスの世界にぽんと放り込まれるので、ビジネスのリアルを体験します。
多くの訪問ではゴキブリを駆除するような扱いを受けますが、ごくまれに人の優しさに触れます。
その天文学的に低い確率の出会いをモノにしてこそ、やがて大きな取引に成長させるチャンスが巡ってきます。
「○○するだけで売上アップ!」
という魔法のような営業手法が出回っているようですが、商売の本質は「泥臭い営業をどこまで積み重ねられるか?」で決まります。
それが学べるのが、新規飛び込み営業です。
新規飛び込み営業の経験者は、「あれは辛いよな」と言いながらも、飛び込み営業を完全否定しない理由はこれでございます。
▽大切な営業マインドは、こちらで解説させて頂きました。
「売れない理由」、「売れるヒント」をお客さんに教えてもらえる。
新規飛び込み営業のメリットは、
・売れない理由
・売れるヒント
を、お客さんから教えてもらえることです。
多くの訪問で断られる飛び込み営業では、必然的に「なぜ断られるか?」という現実に直面します。
「なぜ断られるか?」が分かるだけで、売れるようになるのですが、それが簡単に分からないからどの企業も苦戦するのです。
しかし飛び込み営業では、簡単に答えを知ることができます。
・・・え?間に合っているからいらないですと?
・・・なるほど。ちなみに、どうして必要ないと思ったのですか?
なぜなら飛び込み営業では、目の前に答えを知っている人(お客さん)がいるからです。
「どうしていらないのか?」素直に聞いてみると、意外と教えてくれるお客さんは多いのです。みなさん優しいですよね。
「答えは現場にある。事務所に答えはないんだぁぁーーーっ!!」
どなたが叫んだかは存じませんが、とても的確な表現かと思います。
事務所でながながと営業戦略を練るよりも、1歩ビジネスフィールドに繰り出して、お客さんを訪れた方が100倍早いですし、正確な情報が得られます。
偶然の確率(天文学的な低確率)で、大きな取引ができることもある。
新規飛び込み営業の外せないメリットは、偶然の確率で大きな取引ができる可能性があることです。
飛び込み営業はコスパの悪い営業手法とはいえ、訪問して契約を頂く確率はゼロではありません。
さらに頂く契約のうち、超・大型契約を頂く可能性だって否定はできません。
もちろん、飛び込み営業で契約を頂く確率は低いです。
しかし「ゼロではないこと」を否定してしまうと、確実にビジネスチャンスは逃げてしまいます。
その上飛び込み営業に必要なのは専門知識よりも、圧倒的な行動量です。
ですので、入社してすぐの新入社員でも大型契約を獲得できることもございます。
新規飛び込み営業のデメリット
このようにやりたくない飛び込み営業ですが、メリットを冷静に分析してみると、「なんだよ・・・意外とやる意味あるんだな・・・」と思いませんか?
あなたがそう思ったとおり、一定の効果があるからこそ飛び込み営業はなくなりませんし、ブランドの確立した大手企業ですら飛び込み営業をするのです。
ですが、飛び込み営業には致命的なデメリットもございます。
メリットを帳消しにしかねないデメリットですので、やはり飛び込み営業は慎重にすすめなくてはいけません。
営業効率が悪すぎる。
飛び込み営業のデメリットを一言でいうならば、「効率が悪すぎる」でございます。
イエス、もうこれに尽きるのですよね、ただひたすらに効率が悪いと。
・移動コストがかかりすぎる。
・訪問件数に限界がある。
・訪問件数を増やそうと思うと、訪問の精度がさらに低くなる。
・飛び込み営業のほとんどが門前払いならぬ、インターホン払い。
飛び込み営業の効率の悪さを列挙しようとすればまだまだ書けますが、あまり書くとかわいそうなのでこの辺でやめておきます(恩情措置)
今はネットを活用すれば、営業マンに会わずしてもお客さんはモノを買ってくれます。
その上ネットの方が「早い・安い・情報が豊富」なので、営業マン、とくに新人営業マンではまったく歯が立たないケースが増えました。
飛び込み営業の効率は以前より悪かったですが、今後ますます悪くなることは容易に想像できます。
営業効率が悪すぎるため、成果が出ない。
飛び込み営業のデメリットは、営業効率が悪すぎるため、成果が出ないことです。
「新規顧客を開拓するぞ!」と意気込んではじめた飛び込み営業のはずなのに、ふたを開けてみると散々な結果になるパターンは多いです。
ですがこれは営業マンが悪いワケでもなく、商品に魅力がないワケでもありません。
飛び込み営業が悪いのですよ、効率が悪すぎて成果が出ないのですよ。
かたやネットでは24時間集客し、必要な情報を届け、購入へとうながしています。
かたやテレアポでは1時間に何十件もの顧客にアプローチして、顧客の関心をひきつけます。
では飛び込み営業は・・・?
学べるものは多いですが、それが直接成果につながりません。
残念ながら飛び込み営業だけでは、投入したコストを回収するのは至難の業でございます。
▽アプローチの数を最大にしたいならば、テレアポの方がよほど効率的です。
成果が出ないため、営業マンが定着しない、成長しない。
飛び込み営業のデメリットを突き詰めていくと、最終的にはこちらに行きつきます。
飛び込み営業では成果が出ないので、営業マンが定着しません。
売れない営業をしているのですから、売れないのはまぁ当然と言えば当然です。
しかし会社はそれを許してはくれません。
入社時は歓迎ムードでも売れない日が続くと、やがて冷遇されてしまいます。そして上司に追い詰められると、心がポッキリと折れて退社してしまうのです。
退社しても募集をかければ人は集まります。
人さえ集まれば、飛び込み営業はいつでも再開できます。
ですが、成長しないのですよ。
同じように飛び込み営業をすれば、同じように結果が出なく、同じように精神を病んで退職してしまい、これを無限にループしてしまうのです。
新規飛び込み営業を活用した営業戦略
飛び込み営業のメリット、デメリットを並べてみると、どうにも両極端で扱いづらく感じます。
飛び込み営業は重要ですが、デメリットも大きいです。
ですので、飛び込み営業をするときは、次のポイントを押さえることが大切になります。
成果を求めず、営業マンの成長場として活用する。
まず大前提になりますが、飛び込み営業をするときは、成果を求めてはいけません。
理由はご説明したとおり、営業効率が悪すぎるからです。
移動コストをバンバンかけているのに、インターホンから先に進めない。
これを繰り返して売上目標を達成するためには、それだけ営業マンが疲弊と消耗を繰り返さなくてはいけません。
飛び込み営業では、成果よりも大切な「商売とは何ぞや?」という哲学チックなことが学べます。
今すぐ売上に直結はしませんが、飛び込み営業を通じて成長した営業マンは、会社を支えるベテラン営業マンになります。
ですので飛び込み営業をやるときは、成果よりも「何を学ぶか?」に焦点をあてると、得られるものが増えますよ。
新規飛び込み営業をテストマーケティングとして活用する。
飛び込み営業を活用する場合、テストマーケティングが最適です。
「考えるよりも、まず行動!」の飛び込み営業をすることで、お客さんからのダイレクトな反応が頂けます。
お客さんからの反応は残酷すぎるほど的確で、
・なぜその商品が売れないのか?
・どうして競合他社が選ばれるのか?
・どうしたら売れるのか?
と、どのコンサルタントのアドバイスよりも的確です。
的確なアドバイスを頂くのに費用はかかりませんが、営業マンへの給料とメンタルフォローは必須です。
飛び込み営業をした結果による営業戦略は、現実に即しているので当たる確率が高くなります。
私自身も「営業代行の飛び込み営業」をやっていたときがありますが、まったくもって売れませんでした。
ですがお客さんと話をするなかで、
・なぜ営業代行が売れないのか?
・どうしてこのサービスでは売れないのか?
のヒントを見つけました。
そのヒントをもとに設計したのがテレアポ代行であり、現在はテレアポ代行をメイン事業の1つとしてすすめております。
飛び込み営業ではとても消耗し、成果も出ませんでしたが、貴重なデータ(お客さんの声)を頂きました。
その意味では飛び込み営業は大成功だったといえます。
まとめ:飛び込み営業はデメリットを知りつつ、積極的に活用したい。
あくの強い飛び込み営業ですが、総じてまとめると、
「飛び込み営業のデメリットを知りつつ、積極的に活用したい」
でございます。
【飛び込み営業のメリット】
・スピード感をもって、新規顧客を獲得できる。
・商売の本質、大切なことを理解できる。
・「売れない理由」、「売れるヒント」をお客さんから教えてもらえる。
・偶然の確率で、大きな取引に結び付く。
【飛び込み営業のデメリット】
・営業効率が悪すぎる。
・営業効率が悪すぎるから、成果が出ない。
・成果が出ないため営業マンが定着しない、成長しない。
飛び込み営業は営業効率が悪すぎるので成果は期待できませんが、貴重なデータ(お客さんの声)を多数頂けます。
飛び込み営業で得られたリアルな現実にそった営業戦略を立てることで、次の一手を確実なものにすることができます。
デメリットさえ克服できれば、飛び込み営業は得るモノ豊かな営業になりますよ。
ぜひ素敵な営業を。それでは、また!
▽テストマーケティングをかねた飛び込み営業は、営業代行がおすすめです。
▽初期アプローチをコスパよく増えすのは、テレアポが最強です。
▽新規飛び込み営業の具体的な流れは、こちらです。