こんにちは、営業代行の河合です。
ある日突然、会社から「新規飛び込み営業をやれ!」と命令されたら、あなたはどうしますか?
「いや、やれと言われても、どこをどうしてやればいいものか・・・(脇汗)」
新規営業をいきなりやれと言われても、まず何をしていいのかが分からないのが、新規営業でございます。
しかし親切な先輩が手取り足取り教えてくれるならまだしも、多くの会社では、
「今日から新規営業をやってこい。よし、では、行ってこい!!」
と、体育会系バリバリなOJTをするだけではないでしょうか。
しかしバリバリの体育会系な指導では、大半の営業マンは新規営業を理解する前に挫折してしまいます。
そこでこの記事では、新規営業の流れ(訪問~取引開始まで)について解説させて頂きます。
・未経験で営業に転職する方。
・会社から突然、「新規営業をやれ!」と言われた方。
・既存客だけの営業では売上が伸びなくなった方。
これらに1つでも当てはまる方は、必読の内容でございます。ぜひ最後までお読みくださいませ。
Contents
新規飛び込み営業の訪問前の準備。
「新規営業をやれ!」と言われたといって、何も準備しないまま飛びだしたら、客先に飛び込むことなく撃沈して終了でございます。
大切なのは、訪問前の準備です。
しっかりと事前準備をすることで、訪問したときの成約率をアップさせることができます。
マーケットのリサーチ。
新規営業でお客さんを訪問する前に、マーケットをリサーチすることは死ぬほど大切です。
・自社製品を使っているお客さんはどこにいるか?
・需要のあるお客さんはどこにいるのか?
・もし契約が取れた場合の売上はいくらになるのか?
この3点は、営業に出かける前に、最低限押さえておきたい項目です。
「営業にいけ!」「今すぐ売ってこい!」と、怖い顔でまくし立てられたら、すぐに会社を飛び出してしまいそうです。
しかし事前にリサーチすることで、営業する前に「営業したら、どんな結果になるのか?」が予想できるのです。
この会社は営業車を10台持っている。つまり、営業して法人契約取れた場合、10台分の売上が見込める訳ですな。
事前にマーケットをリサーチすることで、「おいしいマーケット」が分かります。
ターゲットを選んで営業することで、契約が取れる確率も上がりますし、契約したときの売上も上がります。
反対に悪いマーケットを選んで営業すると、
・契約も取れない
・契約が取れても、売上が伸びない
踏んだり蹴ったりの状況が待っているのです。
新規営業は事前のマーケットのリサーチが大切です。マーケットの選び方次第で、営業する前から勝負が決まってしまいます。
▽見込み客のリサーチは、こちらの記事をご参考くださいませ。
営業資料の作成。A4サイズ、1枚にコンパクトにまとめる。
新規飛び込み営業では、ほとんど話を聞いてもらえません。・・・と言いますか、あまり歓迎されません。
どちらかと言うと、
もう!こんなに忙しいのに、なに?
と、邪険に扱われます。
新規飛び込み営業でお客さんに話をじっくり聞いてもらえることは、不可能でございます。
そのためあらかじめ「ぱっと見て、概要が分かる資料」を作っておくと、とても便利です。
・A4サイズ、1枚
・どんな会社か、何をしている会社か?
・どんな強みがあるのか?
・どんな悩みを解決できるのか?
言葉で聞かされるとストレスのたまるセールストークは、小学生にでも分かるような資料に惨敗します。
忙しいお客さんに3秒で理解頂けるような資料を作っておくと、新規飛び込み営業の成約率がぐっと上がりますよ。
いざ、新規飛び込み訪問へ!
事前のリサーチ、資料作成が終わったら、いよいよ飛び込み訪問でございます。
足が震えているのは、不安だからではありません。「やってやるぞ・・・」の武者震いでございます。
新規飛び込み訪問は、次の3ステップの流れになります。
1・まずは何も考えないで100件飛び込め。
飛び込み営業は訪問コストがかかりますが、新規顧客の観点から言えばなかなか優秀な手段だったりします。
・顔を合わせて営業できるので、顧客に安心感を与えられる。
・丁寧な対応をすることで、自社の信頼感をPRできる。
・言葉だけでなく、視覚的に分かる資料を見せられる。
・お客さんの反応をダイレクトに感じ取れる。
・ネットだけでは分からない顧客情報を肌で感じ取れる。
・・・と、新規営業の効率のよさが頭で分かっていても、なかなか怖くて飛び込めないのが、新規飛び込み営業なのです。
いや、まあ、それは仕方ないですよ、怖いものは怖いのですから。しかしだからこそ、私はあえて申し上げたいのです。
まずは何も考えないで、100件飛び込みましょう!
何も考えなくていいです。
門前払いされても、悪いのはあなたではありません。たまたまタイミングが悪かっただけです。
ですので、まずは何も考えずに100件、飛び込みましょう。新規営業は飛び込まないと何も話が進みません。
新規飛び込み営業は、飛び込めば飛び込むほど(訪問件数が多いほど)、成果が伸びるのも事実です。
まずはその一歩を踏みこんで、お客さんの胸にダイブしましょう。
2・自己紹介・取扱商品、サービスの案内をする。
新規飛び込みで訪問したときに、何をしゃべっていいのか分からないですよね?
イエス、その通りなんですよ、いきなり訪問してペラペラしゃべれないですし、お客さんだってこちらの話を聞いてくれません。
だから新規飛び込みで訪問したときは、
1・自己紹介(社名、名前、訪問した理由)
2・自社で扱っている商品、サービスの案内(説明ではない)
の、2点だけお伝えすれば、完璧でございます。
ここでのポイントは、最初に「営業に来ました」と明言すること。そして自社商品は案内するだけで、くどくど説明しないことです。
初対面の人に会って3秒後に営業トーク全開で迫られたら、絶対引きますよね?つまりは、そういうことなんです。
飛び込み営業のメリットは、実際に顔を見せて安心感を与えられることです。
その意味では訪問して、顧客と対面している時点で、第一目標クリアしているのです。
「新規飛び込み営業したら、売込まない。」
これが鉄則でございます。
3・門前払い顧客をリストアップし、テレアポの質の高いリストにする。
新規飛び込み営業をすると、「アポを取ってからにして下さい」と言われることがあります。
アポイントが必要だと言われたら、その顧客を大切にリストアップしておきましょう。
門前払いで断られた経験も大切にリストアップしておけば、テレアポをするときの精度の高い「リスト」になります。
テレアポではトークも大切ですが、それ以前に「誰に電話するか?」のコールリストが大切です。
実際に足を運んでまわったリストは、精度が高く、
一度ご訪問させて頂いたのですが、○○をご担当している方にお繋ぎ頂けますか?
と、一言加えるだけで、ほかの営業と違う存在になれます。
飛び込み営業の効率は決していいとは言えません。
ですが決してムダなものでもありませんし、飛び込み営業でしか得られないこともあります。
門前払いで断られた顧客は「ダメだった」と肩を落とすのではなく、テレアポのリストにしましょう。
飛び込み+テレアポの相乗効果で、効率のいい営業ができますよ。
新規飛び込み営業した結果で、顧客をカテゴリー化する。
「新規飛び込みでお客さんを100件訪問した!俺、すごい!俺、頑張った!!」
イエス、おめでとうございます。100件訪問、本当に素晴らしいですね。
しかし新規飛び込み営業は、ここからが本番なのですよ。
新規飛び込み営業で100件訪問したお客さんを、次の4つのタイプに分類しましょう。
1・今すぐ欲しいお客さん。
2・今は欲しくないけど、あとで買うかもしれないお客さん。
3・たぶん買わないけど、もしかしたら買うかもしれないお客さん。
4・この先もずっと買わないだろう、お客さん。
4つのタイプに分類することで、飛び込み訪問した後の効果的なアプローチができます。
1・今すぐ欲しいお客さん。
「今すぐ欲しいお客さん」とは、
あ、ちょうどコレ買おうと思ってたところだわ。どうしよっかな、取りあえず、見積もらえる?
と、自社製品を案内したときに、すぐ買ってくれそうなオーラを出しているお客さんのことです。
・商品に興味を持ってくれた。
・自社に興味を持ってくれた。
初対面なのに関わらず、こちらに興味を持ってくれて、お客さんから質問してくれるのが特徴です。
ありがたすぎる「今すぐ欲しいお客さん」には、熱が冷めやまないうちに見積書、サンプルを提出するのが大切です。
しかしながら、あまりにも「うますぎる話」は毒があるかもしれません。ご注意くださいませ。
2・今は欲しくないけど、あとで買うかもしれないお客さん。
新規飛び込み営業で、自社製品を案内したときに、
あ、これ使ってるよ。
けど、買ったばっかりだから、今はいらないかな。
と「今は欲しくないけど、あとで買うかもしれない」言うお客さんは、この分類になります。
このタイプのお客さんの特徴は、需要があるものの、タイミングが合わないことです。
タイミングが合わない(悪い)ときに、無理に営業するのは逆効果です。
適切な距離を保ちながら、売込めるチャンスを見計ってアプローチするのが大切です。
3・たぶん買わないけど、もしかしたら買うかもしれないお客さん。
新規飛び込み営業で、自社製品を案内したときに、
あ、うち使ってるけど、切り替えるつもりはないよ。ごめんね~
と、需要はあるにも関わらず、はっきりとお断りするお客さんは、このタイプになります。
「あとで買うかもしれないお客さん」との違いは、「誰から買うか?」を明確にしていることです。
「あとで買うかもしれない」→「あなたから買わない訳ではない」
「もしかしたら買うかもしれない」→「あなたからは買いません」
つまり、今の時点で営業しても99%、「あなたから買ってくれない」、ということですね。
無理に切返しトーク(言い返す)をすることなく、潔く引き下がるのも、新規営業で重要な戦術になります。
じょじょに心の距離を詰めながら、ゆっくりと優良顧客に育てることが大切です。
新規飛び込み営業の時点では、あまり刺激しない方が得策です。
4・この先ずっと買わないだろうお客さん。
そして最後に分類されるのが、「この先ずっと買わないだろうお客さん」であります。
このタイプのお客さんは、新規飛び込み営業で自社製品を案内しても、まったく反応がなく、商品をまるで知らない(需要のない)お客さんのことでございます。
・車の免許を持ってない人に、車の営業をしても無駄。
・賃貸アパートに住んでいる人に、太陽光の営業をしても無駄。
つまりは完全にミスマッチ、ということです。
リサーチしたとはいえ、新規飛び込み営業ではミスマッチは一定の確率で起こります。
需要のないお客さんに出会ったら、お時間頂いたことにお礼しながら、早々に立ち去りましょう。世の中、営業しても意味がないことは、山ほどありますので。
飛び込み営業~成約に向けてのクロージング。
「今すぐ欲しいお客さん」には、見積書を作成、提出してクロージング(成約)していきます。クロージングが成功すれば、いよいよ契約です。
しかし新規飛び込み営業と同様に、強引なクロージングは厳禁です。
お客さんの背中をそっと押してあげるイメージがコツですよ。
クロージングは、そっと背中を押すイメージで。
クロージングのポイントは、欲しいと思っているお客さんの背中をそっと押して上げることです。
無理に「買って下さい!」と言う必要もなければ、お願いする必要もございません。
シンプルに分かりやすく、
・なぜ買う必要があるのか?
・これを買うとどんな効果があるのか?
を記載した見積書を提出し、丁寧に説明してあげるだけです。
メリットを提示し、そっと背中を押してあげましょう。
取引のない状態ではお互いに信頼関係がないので、ちょっとした言動で取引がご破算になることもあります。
クロージングはお客さんの立場に立って、商品の説明をしてあげるのが一番です。怪しまれないで誠実な対応が一番でございます。
▽クロージングのコツはこちらの記事で解説しました。
新規営業でお客さんから注文をもらった後にやること。
「クロージングの結果、お客さんから無事に注文を貰えた!」
震えるほどうれしいですが、ここで気を抜いてはいけません。
なぜなら新規営業では、注文をもらってからの対応が一番重要だからです。
せっかくもらった注文で失敗しないように、次のポイントを押さえましょう。
取引条件の確認。
新しくもらった注文は、新規取引になります。ですので、取引条件をしっかり確認しましょう。
・支払い条件
・納入条件
・アフターフォローの範囲
・トラブル時の対応
など、事細かに確認しておくことが必要です。
「これぐらい大丈夫」と思っていると、思わぬ慣習の違いでトラブルに発展し、取引中止になる可能性もあります。(私は何度か経験あり。)
営業は、ただ売るだけの仕事ではありません。売って、納品して、お金を回収するまでが仕事でございます。
取引条件の確認は、その基礎となるものです。「これでもか!」と口が酸っぱくなるほど、しっかりと確認しておきましょう。
極上のアフターフォローで、リピーターになってもらう。
新規飛び込み営業の極めつけは、アフターフォローでリピーターになってもらうことでございます。
親切丁寧な対応で、「また買おう!」とお客さんに思ってもらうのが狙いです。
新規飛び込み訪問してから、ここまで長いステップを踏んできて、ようやく取った契約でございます。
たった1回の注文で「はい、さよなら」とは、あまりにも悲しすぎるではありませんか。
「買ってみたけど、対応悪かったから、次からよそで買うね。」
突き刺さる言葉を言われたら、あまりの痛みに目から血の涙が出るかもしれません。
新規営業はやってみると分かりますが、コストがとてもかかります。
大変な思いして獲得した顧客です。
売上を効率よく伸ばすためにも、リピーターの獲得はとても大切です。
しっかりアフターフォローして、あなたのリピーターになってもらいましょう!
▽既存客へのアフターフォローは、こちらをご参考ください。
まとめ:新規飛び込み営業も、ステップ別に実践すれば怖くない!
「新規飛び込み営業をやれ!」
と言われると、路頭に迷ってしまいます。
しかし新規飛び込み営業のやり方をステップ別に分解してみると、意外とシンプルだったりします。
1・事前にマーケットをリサーチする。
2・まずは何も考えないで新規飛び込み訪問を100件する。
3・訪問したお客さんを4つのタイプに分類する。
4・お客さんの背中をそっと押して、クロージング(成約)する。
5・取引条件を確認する。
6・アフターフォローでリピーターになってもらう。
どうでしょうか、新規営業の流れはご理解頂けましたでしょうか?
「明日から新規飛び込み営業をやれ!」と聞くと、脇汗がとどまることなく流れますが、営業の流れを知っていれば大丈夫です。流れにそって営業していけば、成果を上げることができますよ。
とは言っても、最初のハードルは100件飛び込むことでしょうか。
お客さんの胸に飛び込まねば何も始まりません。何も考えずに、その一歩を踏み出しましょう!
ぜひ素敵な営業を。それでは、また!
▽新規飛び込み営業は、テレアポと掛け合わせることで効率がよくなります。
▽新規営業のお悩みは、こちらの記事で解決!