こんにちは、営業代行の河合です。
「お客さんに断られてしまった・・・。どう営業したらいいか分からない、世界の終わりだ!」
絶望の淵に立たされる気持ちは分かります。ですが、ちょっと断られたぐらいで落ち込む必要はありません。
なぜならどんなトップセールスマンだって、成約数よりも断られている数の方が遥かに多いからですよ。
しかし注意したいのが、断られたときの対応です。
「お客さんから断り文句が飛び出したときに、どんな対応をするか?」
これによって、その後の取引に大きな差が出てきます。
そこでこの記事では、お客さんから断り文句を言われてしまったときの対応、世界で最もスマートな切り返しトーク術について解説させて頂きましょう。
Contents
法人営業で直面する、断り文句とは?
世界で最もスマートな切り返しトーク術を解説する前に、法人営業ではどんな断り文句に直面するのか、知る必要があります。
合理的な意思決定をする法人相手の営業では、次のような断り文句に直面することが多いです。
▽法人営業の特徴については、こちらの記事をご参照くださいませ。
何かあったら、こちらから連絡させて頂きます。
法人営業で最も多い断り文句は、こちらでしょう。
とても穏やかな口調で「何かあったら、こちらからご連絡させて頂きます」と言って下さるので、断られている自覚すらありません。
むしろ「ご連絡させて頂きます」と丁重に依頼されているので、「頼られているのかも?」と勘違いすらしてしまいます。
ですが残念ながらお客さんから連絡が来ることは、99.9%ありません。なぜなら、もう既にあなたは断られているからです。
「何かあったら」の「何か」が、未来永劫起きることはないのであります。
検討します。
「検討します」も立派な断り文句です。
お客さんの「検討します」は、果たして本当に本当に検討してくれたのか?
疑っては悪いと思いますが、絶対検討してないですよね?
私の営業感覚から言わせて頂くと、本当に購買意欲のある方であれば、資料を渡した時点で食らいつきます。目の色が違います。
資料にろくに目も通さずに「検討します」というのは、「検討する値もない」と言っているようなものです。
忙しいから・・・。
お客さんから「忙しいから・・・」と言われたら、要注意サインです。
なぜならお客さんは、あなたの提案に価値を感じていないからです。「眠たくなるような提案だから、後にしてくれ」と、言っているのですよ。
前述の断り文句より、やや強い断り文句になるので、切り返しトークを下手に使うと信頼関係を一気に崩してしまう危険な状態です。
ほかの業者よりも高い。
法人営業では、「他の業者よりも高い」、という断り文句をよく聞きます。
既存サービスを奪い合う営業では、しばしば価格競争になりますが、その際、「他の業者よりも高い」と言われることが多いです。
他の業者よりも高いの断り文句には、2つの意味があります。
1・他の業者よりも高いから、安くしたら買うよ。
2・最初から買うつもりはない。
「1」の場合であれば、他の業者よりも価格を下げれば受注できる可能性はあります。
しかし「2」の場合は、いくら値段を下げても永遠に受注することはできません。
「お値段を下げました。なにとぞ、ご注文を・・・」
と言ったところで、感謝されることはあっても、永遠に注文が来ることはありません。
最初からあなたの安い見積書を、既存の業者の値下げ交渉のネタにするつもりなのです。
「他の業者よりも高い」と言われたら、すぐに価格を下げる前に、しっかりと事実確認することが大切です。
決まった業者がいるから。
「決まった業者がいるから」は、法人営業ではありふれた断り文句です。
法人営業では取引が長く、多岐にわたることが多いので、業者を切り替えるのも大変です。
ですので、切り替えるメリットが少なければ、「今のままでいいか・・・」と事なかれ主義に進むことはよくある話でございます。
しかしだからと言って諦める必要はまったくありません。
・既存業者とトラブルがあったとき
・業界で動き(値上げ・値下げ)があるとき
・新規設備を導入するとき
など、新規参入できるタイミングはいくらでもあります。
切り返しトークでずたずたに切り刻むよりも、新規参入できるチャンスを頂ける信頼関係を築くことが大切でございます。
▽「決まった業者がいる」への対応は、こちらです。
上司の許可が取れない。
法人営業では「上司の許可が取れない」と断られることは、当たり前のようにあります。
直接営業をかけている担当者がOKと言っても、上司がNOと言うケースは多々あります。
「先日買いたいとおっしゃっていた商品、その後どうですか?」
「ごめんね、上司の許可が取れなくて・・・。」
と言われたとき、上司を説得できない担当者を責めてはいけませんが、次の2つのことを疑うべきでしょう。
1・担当者が上司に掛け合っていない。
2・上司が本当に「いらない」と言っている。
上司が本当に「いらない」と言っているならば、それは仕方ないかもしれません。
ですが、問題なのは担当者が上司に掛け合っていないときです。
「上司の許可が取れない」と言いながらも、そもそも上司に話すらしていないケースは案外多いものです。
上司に話さえ通せれば、スムーズに案件が進むときもありますので、原因の見極めを念入りにしましょう。
断り文句へで最もスマートな切り返しトーク。
お客さんからの断り文句をスマートに切り返すためには、
・どんなお客さんが言ったのか?
・どんな状況で言っているのか?
・どんな営業をして、言われたのか?
によって、切り返しトークが変わってきますので、「これが正解です」とは言い切ることができません。
ですが、どんな状況にも共通して適用できる、世界で最もスマートな切り返しトーク術がありますので、ご紹介させて頂きましょう。
切り返さないのが、最高の切り返し。
断り文句を世界で最もスマートに切り返すトーク術は、ずばり「切り返さないこと」でございます。
お客さんからの断り文句に切り返しトークを使わないで、お客さんの主張を受け入れてあげる。
まずはお客さんの気持ちを、すべて受け入れることが大切です。
「切り返しトークで丸め込んでやろう・・・」
などと下賤な心を捨てることが、切り返しトークの本当のスタートなのです。
営業マンに切り返されて、あなたはどう思いましたか?
「おいおい、切り返ししないなんて、答えになってないよ!」
激しく突っ込みを入れて下さったあなた。・・・ありがとうございます。
ですが、これが本当にそうなのですよ。切り返さないことこそ、最高の切り返しなんですよ。
だって思い出して見て下さいよ。
逆の立場であなたが誰かの営業(勧誘)を受けているとき、「いらないよ」と断ったことを営業マンが切り返してきたら、普通にウザくないですか?
・・・いりません。
そうですよね。・・・でも、この商品にはこんな魅力があるのですよ!(切り返し)
だから、いりません。
忘れて頂きたくないのですが、法人営業での営業マンの任務は、単に商品を売ることではなくて、顧客との信頼関係を築くことですから。
下手な切り返しトークを使うと、顧客との信頼関係が一気に崩れる危険があります。
仮にその商品が売れたとしても、顧客の心象はあまりよくないでしょう。
断られたら、便乗する。
では、お客さんから断り文句を言われたらどうするのか?
それは断り文句を言われたら、その断り文句に便乗してください。
上司の許可が取れなくて・・・ごめんね。
あ、大丈夫ですよ。でもどうなんですか?上司って、やっぱり怖い方なんですか?うちの上司はすごい怖いんですけど・・・
営業は断られてからが勝負です。ですので、断られること自体、何も問題ありません。
この商品が売れなくても、この案件を通じて信頼関係を築き、もっと大きな案件を受注すればいいのですから。
ですので、お客さんから断り文句が出たら、それに便乗してみて下さい。
・どうして買えないのか?
・どんな問題、課題があるのか?
・本当に必要なサービスは何か?
・営業マンに求めるものは何か?
お客さんとの雑談を通じて、お客さんが本当に求めるものを探って下さい。(ヒアリング)
あなたが常にお客さんの味方でいる限り、いくらでもモノが売れるチャンスはあります。
▽お客さんの悩みを聞き出すには、ヒアリングのコツと雑談力が大切です。
お客さんの本当のニーズが分かった段階で、再度アプローチをかけてみる。
お客さんの断り文句に便乗し、お客さんが胸の内に秘めるニーズを探ります。
そしてお客さんの本当のニーズが分かった段階で、再びアプローチしましょう。
イエス、お客様。
実は先日お断り頂いた商品ですが、実はこのような商品もあるのですが・・・。
営業で言われる切り返しトークとは、本来このように使うのが筋です。
切り返しトークとともにお客さんを切り刻むのではなく、いったんお客さんの気持ちを受け止めるのです。すべて受け止め、そして抱きしめて下さい。
時間差で切り返していることには変わりませんが、大きく違うのは「お客さんの想いを大切にしていること」です。
切り返しトークを駆使して、売ってやろう!
と思うのではなく、あくまでもお客さんの気持ちに寄り添うことが大切でございます。
まとめ:切り返す前に、顧客の気持ちを受け止める!
お客さんに断られてしまった・・・。
そうですか、そうですか。それはお疲れさまでした。
しかし営業は断られてナンボでございます。断られてからが、勝負でございますよ。
大切なのは、「断られてたときにどんな対応をするか?」です。
どんな対応をしたかによって、今後の取引は大きく差が出ますよ。
お客さんからの断り文句は、切り返してはいけません。すべて受け止めましょう。その上で断り文句に便乗して、お客さんが抱える課題・求めるサービスを探るのです。
そしてお客さんの本当のニーズが分かった段階で、再度アプローチをするのです。
これがあるべき「切り返しトーク」でございます。
顧客のニーズを抑えている営業マンは、強いですよ。売込まずとも、売ることが可能です。
ぜひ素敵な営業を。それでは、また!
▽テレアポで使える切り返しトークはこちらです。
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