こんにちは。営業代行の河合です。
「テレアポトークは短くすべき!」
「短いトークこそ正義。なぜならテレアポは、アポ獲得がゴールだから!」
・・・というアドバイス。本当に多いですよね。
しかしこれらのアドバイスは半分は正解ですが、半分は間違いです。
なぜならテレアポのゴールはアポではないから。獲得したアポから商談をし、そこから成約(契約)して、はじめてゴールとなります。(厳密にいえば、お客様からお金を回収するまでがゴール)
テレアポは、数ある営業プロセスのごく一部でしかありません。
そのためテレアポだけ勝手に
アポさえ取れればいいんでしょ?
的な発想は、全体の営業プロセスの足を引っ張る結果になります。
ではテレアポトークは、どんどん長くすればいいのか?
・・・と言われると、100%そうとも言えません。
そこでこの記事では、最適なテレアポトークの長さについて解説させて頂きます。
テレアポのゴールはアポではありません。あくまでも成約してこそのテレアポなのです。
テレアポトークは本当に短くすべき?
「テレアポトークは短くすべき!」
とのアドバイス、よく分かります。
だってテレアポを受けるどのお客さんも、みんな忙しそうではないですか。
貴重な時間を頂いているのに長々とサービス案内をするのは、非常に失礼というもの。
ですので、基本路線としては、
「テレアポトークは短くすべき」
は正解です。短いは正義です。
・・・ただし!
冒頭にも申した通り、テレアポのゴールはアポではなく、成約です。
成約を最大化するには、「本当に短いテレアポでいいの?」を改めて見直す必要があります。
短いトークはアポまで最短距離に、商談数を最大化できる。
短いテレアポトークが正義とされるのは、電話を受ける側の都合だけではありません。
短いテレアポトークは、アポまでの距離を最短にできるのです。
ゴールまでの距離が最短になること、それはつまり途中でNGになる確率が減ることでもあります。
そのため短いテレアポトークは長いトークに比べて、アポ数(商談数)を最大化できるのが特徴です。
短いテレアポでは、サービス内容が十分に伝わらない。
テレアポのゴールを商談数に設定するのであれば、非常に理にかなった「短いテレアポトーク」。
ですが問題はそう簡単ではありません。
短いテレアポトークの副作用として、
「顧客がサービス内容を理解しないまま、アポを取る」
というものがございます。
これはトークを短くしたばかりに、顧客が「詳しいサービスは分からないけど、ま、当日ちょっと聞いてみようかな」とのレベルでアポを約束するものです。
そのためいざ訪問してみると、
・玄関先の立ち話で終了した。
・名刺交換して、中身のないトークをして終了した。
・詳しくヒアリングしてみたら、まったくニーズがなかった。
・顧客がサービス内容を理解しておらず、気まずい空気が漂った。
などのトラブルが発生しがちです。
トークの長さと情報量は比例するため、短いトークで伝えられる情報には限りがあります。
サービス内容を理解しないアポは、成約率が低い。
短いテレアポトークでアポを取りつけるスタイルは、いわばテレビCMで流れる、
「続きはWEBで!」
戦略と同じと言えるでしょう。
ただちがうのは、WEB検索ならHPを仕込んでおくだけで済みますが、「続きは商談で!」となると、訪問コストが重くのしかかること。
その上、訪問しても顧客はサービス内容を理解していないため、成約に結び付く確率は低くなってしまいます。
「詳しくは訪問したときにお話しします」
は、合理的に見えるテレアポトーク。
しかし実際は、本来必要であったサービス説明をただすっ飛ばしただけにすぎません。
成約するには、サービス内容の理解が不可欠です。
「詳しいサービス内容を電話で話すか?訪問して話すか?」
詳しい説明をテレアポで話さなければ、商談後の成約率は下がってしまいます。
テレアポのゴールはアポではなく、成約。
テレアポで長いトークをすると、
詳しい説明ありがとう。弊社にはまだ早い、ということがよく分かったわ。・・・じゃ!
と、詳しい説明をしたばっかりにアポを取り逃すことがあります。
これはアポインターとしては落胆する案件です。
しかし営業プロセス全体からすれば、むしろ「ほっ」とする案件ではないでしょうか?
なぜならニーズが低く見込みの薄い顧客は、遅かれ早かれNGになるからです。
(ニーズがない顧客に販売することを、ゴリ押し営業といいます)
・電話ですぐNGを出すか?
・訪問して商談したあとにNGを出すか?
早い段階でNGが出れば、営業コストはかかりません。
しかし訪問(しかも数回訪問)した後のNGは、営業コストが膨大なのでダメージが大きいです。(精神的ダメージ含む)
そう考えると、むしろ
「あえて長いテレアポトークをすることで、見込みの高い顧客を集める」
は、営業プロセス全体を最適化する上で、非常に重要な戦略となります。
ただし、
「見込みの薄い顧客は、相手にしない」
とはちがいます。わざわざ訪問しないだけです。
訪問をせずとも、メールやWEBで顧客を育成することで、将来的に案件化できます。
大切なのは、
「テレアポ → すぐさま訪問して商談以外の選択肢を持つこと」
これでございます。
営業プロセスから最適なテレアポトークを設計する方法
短いトークも正義ではあります。
ただし万能ではありません。
大切なのは、全体の営業プロセスから最適なテレアポトークを選ぶこと。
では、短いテレアポトークと長いテレアポトークは、どう選ぶべきなのか?
営業プロセス全体を俯瞰して考えてみましょう。
短いテレアポトーク → 商談数を重視。対面しないと、魅力が伝わらない。
短いテレアポトークのメリットは、アポ数が増え、商談のチャンスが増えることです。
ただし、デメリットとしてアポの品質が下がります。(サービス内容を理解していない)
短いテレアポトーク:「商談数」 > 「商談の質」
そのため商談数を増やし、「売れるチャンスが1ミリでもあるなら、どんどん訪問したい」との営業戦略にて有効です。
・訪問できる営業リソースが豊富である。
・対面しないと商品の魅力が伝わらない商材。
・他社と差別化しにくい商材(代理店など)
・担当者のスキル、対応力が差別化になるサービス(御用聞き営業)
このような営業を展開する場合、テレアポトークは短くし、商談数を重視した方が結果につながりやすいです。
簡単なメリットを提示し、そうそうにアポにつなげた方が成約数も伸びます。
逆に中身のない(と顧客が感じる)トークを長々話しても逆効果。
あなたが必要だと思っても、顧客は課題すら認知していないケースもあります。
いくら顧客のために熱弁しても、迷惑電話扱いされる恐れがあります。
長いテレアポトーク → 商談の質を重視。対面しなくても、魅力が伝えられる。
長いテレアポトークのメリットは、対面しなくてもサービス内容をしっかり伝えられること。
そのため獲得できるアポも、サービス内容を理解した質の高いアポになります。
ただしサービス内容を詳しく説明するため、テレアポ途中での離脱(NG)が多くなり、アポ数は減少します。
長いテレアポトーク:「商談数」 < 「商談の質」
アポ数こそ減りますが、獲得したアポの見込み度が高いため、「アポ → 成約」につながる確率が高くなります。
訪問するコストを抑え、効率的に営業したい方には、ぜひこちらをおすすめします。
ただし獲得できるアポ数(商談数)が減るため、受け皿となるNG対策が必要です。
・資料送付からの追跡コール
・メール営業
・メルマガ配信
・WEBアプローチ
アポにならなくても、アプローチできる仕組みが必要です。
また長いテレアポトークに適しているのは、次のケース。
・対面しなくても、商品の魅力が伝わる。
・顧客が課題を認識しており、解決したいと思っている。
・オリジナル性の高い商材。
このような商材の場合、長いテレアポトークでも「うんうん」と聞いてもらえることが多いです。
長いテレアポトークの注意
テレアポトークを長くすることで、見込みの高いアポを集めることが可能。
その結果、訪問コストを抑えて効率のいい営業ができます。
・・・と聞くと、
そうか。なら、テレアポで長くしゃべろう。
と考える方、いらっしゃると思います。
しかしながら、「テレアポでただ長くしゃべればいい」というわけではありません。
当然ながら、「ただ長いテレアポ」は迷惑なだけですから。
長いテレアポをするときは、次の点に注意してみてください。
相手が断る「間」を作る。
はっきり申し上げて、長いテレアポは苦痛です。
とくに興味のないお客さんからすると、耐えがたき苦痛。悶絶いたします。
ですので、わざと相手が断る「間」を作り、テレアポから離脱させてあげましょう。
よくありがちなのが、テレアポから離脱(NG)されるのが怖くて、まくし立てるパターン。
たしかに離脱するヒマすら与えませんが、しかし結局断られますから。
運よくアポが取れたとして同じです。わざわざ訪問して、わざわざ断られるのです。
であれば、テレアポトークに離脱ポイントを設け、興味のないお客さんはそこで離脱してもらった方がお互いのためと思いませんか?
長いテレアポトークには、お客さんが断るための「間」を作ってあげてください。
「ショートカット版」も準備。
長いテレアポトークを想定していても、お客さんが結論を知りたがるケースもあります。
業界的に課題だったコスト削減でして・・・
で?結論は?いくらなの?
え?は?は・・・えっと・・・ふがふが・・・
(長いトークしか想定してなかったから、なんて言えばいいか分からない!)
長いテレアポしか想定していないと、関心の高いお客さんをみすみす逃してしまいます。
ですので、長いテレアポトークを想定するときは、必ず「ショートカット版」のスクリプトも準備しましょう。
質問対策をしっかりと。
テレアポで長いトークをする、ということは、つまりそれだけお客さんの関心が高いこと。
関心が高いからテレアポトークを最後まで聞くのです。
しかし関心が高いからこそ、お客さんからビシバシご質問を頂くことが多いです。
それいいね!で、それってマーケティング?KPIはどこに設定するの?なぜそうするの?
え?ま、ま、マーケティングと言えばマーケティングですが、KPIはーーー・・・・(沈黙)
せっかく話を聞いてくれているのに、自ら墓穴を掘って終了してしまいます。
そのため長いテレアポに臨むときは、しっかりと質問対策をしておきましょう。
質問対策は切り返しとは違い、
・商品の知識
・業界の専門知識
・業界の裏情報
などが求められることが多いです。
スクリプトを覚えるだけでなく、商材そのものを勉強することが大切です。
まとめ:欲しいのは成約。アポだけ取っても意味がない。
「テレアポのトークは短くすべき!」
・・・確かにそうなのですが、しかし本当にそれでいいのでしょうか?
アポを取るには最適ですが、獲得したアポから成約に結び付ける難易度は高くなります。
わざわざ訪問コストをかけて断られるなら、テレアポの段階で断られておいて、「追跡リスト」で時期を見直した方が効率がいいと思いませんか?
短いテレアポと長いテレアポは、それぞれトレードオフ、一長一短です。
短いテレアポトーク:「商談数」 > 「商談の質」
長いテレアポトーク:「商談数」 < 「商談の質」
「どちらが優れている」という話ではなく、「成約までの営業プロセスをどう攻めるか?」によって、最適なテレアポを選ぶべきでしょう。
テレアポは数多くの営業プロセスの一部。したがってテレアポ単体では機能しません。
ほかのプロセスとよく連携し、「戦略的なテレアポ」で効率よく新規開拓していきましょう!
弊社でも「戦略的テレアポ代行」として、新規開拓のサポートをお手伝いしております。
ぜひお気軽にご相談くださいませ。