こんにちは、営業代行の河合です。
商談で大切なのが、冒頭(ツカミ)です。
開始早々にすべってしまうと、険悪ムードが漂う中商談を続けなくてはいけません。
逆に冒頭でお客さんの心をキャッチできれば、その後の商談は盛り上がります。
商談のツカミの成否を分けるのが、アイスブレイク。
アイスブレイクとは?
初対面の人と商談するときに、お互いの緊張をほぐし、その後のコミュニケーションを円満に進めること。
営業においては、お客さんの本音を引き出すためも必須。
アイスブレイクでお客さんとの心の距離を密にすることで、本音を引き出し、成約率が高められます。
・・・ですが・・・
コロナの影響により市民権を得たWEB商談では、従来の対面商談でのセオリーが通じません。
対面のセオリー通りに冒頭から雑談をはじめようものなら、画面越しに不穏な空気が一気に流れます。
そこでこの記事では、WEB商談でのアイスブレイクのコツを解説していきます。
同じ商談といえど、WEBはWEB。対面とはちがいます。
WEBの特性をよく知り、顧客ニーズを満たす商談をマスターしましょう!
Contents
WEBでは通用しない!?対面でのアイスブレイクの鉄板。
これまで当たり前だった、対面営業。
お客さんと膝を突き合わせることで、深い顧客ニーズを知り、的確な提案が可能でした。
顧客ニーズを引き出すのに活用されたのが、アイスブレイク。お客さんの緊張を解き、本音を引き出すテクでございます。
対面営業の場合、次のようなアイスブレイクが鉄板でした。
みなさまも身に覚えがあり、非常にお世話になったのではないでしょうか。
しかし残念ながら、WEB商談では転用できないテクがほとんどです。
名刺交換で共通の話題作り。
対面営業のアイスブレイクの鉄板といえば、こちら。名刺交換からの雑談トークですね。
着席して会話をはじめる前に、全員起立しての名刺交換。
儀式的な作法をはさむことで、まずは一体感を。そして名刺の情報をフックにして、ファーストトークを展開します。
【名刺の情報】
・名前、漢字
・役職
・事業所の住所(複数の場合、裏面に列挙)
「珍しい苗字ですね、ご出身はどちらですか?」
「お若いのち、部長なのですね、すごいですね。御社は若いマネージャーが多くいらっしゃるのですか?」
「○○県にも事業所があるのですね。いや、じつは○○県は私の地元でして・・・」
などなど。
たった1枚の名刺で、商談の雰囲気を柔らかくできたものです。
来社・訪問までのストーリーで、共通の話題作り。
こちらも対面営業の鉄板アイスブレイク。来社・訪問までのストーリーで、共通の話題を作ります。
「○○駅から本当にすぐなんですね。弊社からのアクセスは10分かからなかったですよ」
「急に雨が降ってきましたね。○○さんのご自宅は会社から遠いのですか?雨のこともありますし、手際よくご説明させて頂ければと思います。」
「途中、○○道路を通ってきたのですけど、すごい渋滞でしたね。この時間帯、いつも渋滞するのですか?」
来社・訪問までのストーリーも、アイスブレイクに最適。
開口一番に仕事の話をするより、一言でも柔らかいトークを挟んだ方が緊張がほぐれましたよね。
事務所の雰囲気、周辺環境で共通の話題作り。
対面ならではのアイスブレイクとしてお世話になったのが、こちら。
事務所の雰囲気や周辺環境は、お客さんにとっても「言われて嬉しいネタ」でしたので、アイスブレイクとして非常に有効でした。
「素敵な事務所ですね!(鉄板)」
「お近くに○○店があるのですね。やはりご利用されたりするのですか?」
「すごい自然が豊かな環境で。都心から来ると、非常に癒されます。」
お世話になりました、事務所・地域ネタからのアイスブレイク。
しかしお客さんの事務所まで足を運ばないWEB商談では、このテクは使えません。
WEBの特性から考える、WEB商談のアイスブレイクのコツ。
結論から申し上げますと、WEB商談のアイスブレイクは独特です。
なぜなら商談の冒頭から結論からトークをはじめ、顧客の課題を解決してから雑談をはじめるからです。
【WEB商談の流れ・アイスブレイクのタイミング】
1・簡単なご挨拶
2・お客さんが聞きたい「結論」から話す。(課題解決でアイスブレイク)
3・当初の課題を解決してから雑談し、本音を引き出す。(アイスブレイク)
対面の営業では結論を切り出す前に、雑談で緊張をほぐす傾向がありました。
しかしWEB商談では、雑談をはさまずに結論から切り出すパターンが多いです。
・・・なぜか?
これを理解するには、「WEB」の特性(性質)をよく知る必要があります。
WEBはショートカットが大好き。結論から話す習慣を。
WEB最大の特徴は、スピード感です。
・WEBニュースは、新聞、雑誌よりも圧倒的に早い。
・知りたい情報に、今、この瞬間にどこまでもアクセス(リサーチ)できる。
・欲しいモノが、今、この瞬間に購入できる。(しかもすぐ届く)
とにかく早い。気になったらワンクリックで完了なのが、WEBでございます。
WEBの特徴は、WEBコンテンツにもよく表れております。
・記事タイトルは30文字で短く、読者の興味を煽る。(興味が惹けなければ、クリックされない)
・WEBの文章は、結論から短く書くのが当たり前。(冒頭が長いと、離脱される)
・YouTube動画は開始10秒で結論が分かる構成に(結論まで待ってもらえない)
音楽はストリーミング再生が主流になり、イントロが大幅カットされました。
サビからはじまる楽曲がほとんどですよね。
このWEBの特徴は、WEB商談においてもまったく同じです。
つまり、商談の冒頭から結論を話さなくては、お客さんは興味を失い、離脱してしまうのです。
さすがに突然消えることはありませんが、お客さんの心がどこか遠い世界に行かれてしまうケースは多々あります。
・移動する必要もなく、(ちょっとでも)気になる企業から提案が受けられる。
・リンクをクリックするだけで、パソコン上で商談スタート。
・商談中でも、今、気になった情報をリサーチ → 画面の共有ができる。
・商談画面を小さくすれば、別ウインドウで作業もできる。
WEB商談を取り巻く環境は、営業サイドが思ってる以上に「早い」ですから。
従来のような「アイスブレイクしてから本題・・・」という構成では、顧客にとって退屈なものとなり、結論までたどり着けません。(お客様が解脱してしまいます)
結論から話すためには、事前のヒアリングをしっかりと。
ですので、WEB商談は結論から話すべきでしょう。
しかし問題なのが、数ある結論の中から、「どの結論から話すのか?」ということです。
相手の関心を無視したトークをしてしまうと、商談はダダ滑りとなります。
そこで重要になるのが、商談前のヒアリングです。
商談がはじまる前にお客さんの興味・関心をヒアリングしておくことで、WEB商談開始とともにドンピシャのストライクボールが投げられます。
お客さんの関心のある話題として、
・月にいくらかかるのか、弊社の事例で知りたい。
・同じ業界の事例が知りたい。ノウハウを確かめたい。
・具体的にどんなサービス内容なのか、知りたい。
・他社と比較しているので、他社との違いを教えて欲しい。
などが多いです。
お客さんが価格について知りたいのであれば、冒頭から価格の説明を。
他社との違いが知りたいのであれば、他社との違いの説明から。
冒頭からお客さんのニーズを満たすことで、お客さんの心は開かれます。(アイスブレイク)
私の知りたかったことを、詳しく教えてくれてありがとう!
しかし冒頭の説明がテンプレ通りで、お客さんの知りたい内容でなければ、
私の知りたいのはサービス内容じゃない。価格の説明はまだ?
と、ネガティブな印象を持たれ、心の距離が開いてしまいます。(アイスブレイクの失敗)
お客さんの知りたい結論から話し、まずはお客さんの課題を先に解決する。
知りたい情報を丁寧に教えてくれる姿勢は、好感が持てるもの。
結論から話す行為こそ、WEB商談ではアイスブレイクに繋がるのです。
「で、ぶっちゃけどうですか?」|WEB商談は、結論後にアイスブレイク。
WEB商談はテンポ感が命。
商談で結論から切り出したとしても、だらだらと話を引っ張ってはいけません。
結論の説明をコンパクトにまとめ、早い段階でお客さんの反応を確かめます。
おすすめのトーク例としては、
「・・・ここまでが、○○についてのご説明になりますが、当初の想定と比較していかがですか?」
で、ございます。
早いタイミングで「ぶっちゃけトーク」に誘い込み、本音を引き出すのが目的です。
その後の商談の構成(トーク内容)は、お客さんの本音によって変わります。
思ってた通り、安くていいサービスなのね。サービス開始まで、どれくらいかかるの?
想定してたより、価格が不明瞭かも。もう少しシンプルな価格じゃないと、上長への説明が難しいわ。
他社との違いがわからなかった。これなら他社の方が魅力的かも・・・。
的外れな説明をしないためにも、相手の反応は小まめに確認したいところ。
とくにWEB商談では対面よりもコミュニケーションが取りにくいので、分かりやすく、
「ぶっちゃけどうですか?」
と、質問するのがおすすめです。
▽WEB商談のコツ
商談をコンパクトにまとめ、最後に雑談を。
「いわゆる対面営業の雑談はどこへ行ったの?絶滅したの?」
と、ご心配された方。ご安心くださいませ。
WEB商談においても、雑談は必要です。ただしタイミングがちがいます。
WEB商談で雑談を展開するなら、結論を述べたあと。つまり商談の最後がおすすめです。
なぜならWEB商談の場合、共通の話題が作りにくく、冒頭で雑談を無理に作ると高確率でスベるから。
はじめまして。本日はありがとうございます。
最近、暑いですけど、そちらはいかがですか?
・・・え?ええ・・・そ、そうですね・・・。
画面越しから伝わる「早くしろよ感」が痛々しいのですが・・・!!
気軽にさくっと受けられるのが、WEB商談のメリット。
にも関わらず、冒頭から無意味な雑談がはじめてしまうと、お客さんのイライラスイッチを押してしまいます。
ですので、WEB商談の雑談は最後がおすすめなのです。
一通り説明も終わり、お茶をゆっくり飲むような気持で雑談を振ってみる。
当初の目的を達成した状態なので、お互い余裕がありますし、会話を重ねた分、心の距離が近くなっています。
このタイミングで仕事以外の雑談をすることで、
・お互いの親密度アップ
・仕事以外の興味(ニーズ)を探れる。
・お客さんの隠れた本音を引き出せる。
などの効果が見込めます。
WEB商談でも有効なアイスブレイクの小ネタ
従来のアイスブレイクの小ネタ(名刺・天気・住所など)は、WEB商談では期待できません。
しかしWEB商談独特のアイスブレイクの小ネタもありますので、ご紹介させていただきます。
バーチャル背景
WEB商談のアイスブレイクのネタに期待できるのが、バーチャル背景です。
オフィス風景、リゾート、タワマンなどから、自社ロゴなどオリジナル画像も可能。
バーチャル背景のセンスがいいと、商談のときに
素敵な背景ですね!
と、和むときがあります。
ただしバーチャル背景は個人の趣味が色濃く反映される傾向があり、ドン引きされるリスクもあります。
背景がタワマンからの夜景・・・こういう願望があるのかしら・・・。
バーチャル背景はできるだけシンプルに。
自社ロゴを編集したオリジナル画像もおすすめです。
名刺のスライドを作成。
対面で効果的だった名刺交換は、「自分の名刺を画面共有する」という荒業で代用できます。
パワーポイントで作成した名刺を画面共有するのもアリ。
名刺をバーチャル背景に組み込むのもアリ、ございます。
BGMを流す。
WEB商談では周囲の音を拾ってしまうので、できるだけ静かな環境で行いたいもの。
しかしあまりにも静かすぎると、無機質で味気ない印象になりがちです。
そこで活用したいのが、BGM。
リラックスできる音楽を微量で流すことで、「いい感じの商談」が演出できます。
あ、この曲、知ってます!私好きなんですよね。
ごく稀に音楽の趣味が一致すれば、一気に心の距離は縮まります。
まとめ:顧客の要望を素早く満たして、アイスブレイク!
WEB商談のアイスブレイクは、少し独特です。
なぜなら冒頭から結論を話し、顧客の要望を満たすことでアイスブレイクするからです。
従来のような雑談を挟んでから本題を~とのスタンスですと、飽きられる可能性があります。
【WEB商談のアイスブレイクのコツ】
1・商談前に「顧客がもっとも知りたいこと」をヒアリング。
2・商談冒頭から結論を話し、顧客の要望を満たすことでアイスブレイク。
3・商談をコンパクトにまとめ、最後に雑談をする。
WEBはショートカットが大好き。
気軽に受けられるWEB商談も、顧客側の「早く結論が知りたい」と思う傾向が強くなりました。
アイスブレイクは、なにも雑談にこだわる必要はありません。顧客の要望を真っ先に満たすことで、打ち解けられます。
対面よりコミュニケーションが難しいWEB商談。
無理に雑談でアイスブレイクを狙わず、結論から話してアイスブレイクしてみてくださいね。