・・・で、それいくらなの?
はい!月30万円になります!
え?月30万!?高すぎ!無理!
・・・ガチャリ・・・
え!?業界的に決して高い値段ではないのですが・・・!?
こんにちは、河合商事の河合です。
冒頭より寸劇にて、失礼いたしました。
ですがこのパターン、本当に多くないですか?値段を聞かれ、自信をもってお答えしたところ、秒でお断り頂くという。
世のアポインターが経験している、いわゆる「価格NG」はテレアポ界の鬼門だったりします。
なのでテレアポノウハウの中には、
「価格を聞かれても、一切答えるな!」
「価格を伝えてNGになるのは、そもそも見込みがない顧客だから、深追いするな!」
などもありますが、いいえ、違います。
テレアポで価格を聞かれたときの正しい対応は、
「丁寧な回答だが、具体的な回答ではない」
がベストアンサーとなります。
このオペレーションを徹底することで、テレアポで無駄に損することもなく、アポ率の底上げが可能です。
テレアポは商談と違い、相手側が「メリットなし」と判断した瞬間にガチャリと終了してしまいます。
損をしないトークで、お客さんとの出会い(アポ)を創造していきましょう!
Contents
なぜテレアポで価格を伝えて失敗するのか?
商談で盛り上がるテーマの1つが、価格です。
「安い、高い」
「他社はいくらで・・・」
「自社の価格はこうで・・・」
「だから強みは・・・」
「ご予算は・・・?」
など、価格を話題にして、お客さんとの距離もぐっと近づきます。
しかしテレアポでは違います。価格で値段を答えた瞬間、ガチャリと終了するケースが多いのです。
これはテレアポの特性である、
・声しか伝わらない。
・相手が見えず、信用できない。
・「電話を切る=断る」であり、断りやすい環境である。
という3つの要素が関係してきます。
テレアポで価格NGになりやすい原因について、具体的に解説させて頂きます。
商品の魅力が伝わらない状態では、どんな値段も高く感じる。
商品の価格とは不思議なもので、
・商品の詳細まで知っていて、納得している状態 → 安く感じる。
・よく知らない商品で、あまり納得していない → 高く感じる。
という心理が働きやすいです。
たとえば、「この車は500万円です!」と言われたとき、
A)商品の隅々まで理解し、ブランドコンセプトまで共感しているお客さん
この仕様でこの価格は納得感があるね!
と、ご納得頂くケースが多いですが、逆に商品を詳しく知らない方からすると、
B)商品のことをほとんど知らず、ブランド名もはじめて聞いたお客さん
車に500万円!?ムリムリ!
と、納得どころか、下手すればお怒りになる始末。
商品のことを「詳しく知っている / 知っていない」の差だけで、価格への反応は大きく変わります。
ではテレアポではどうなるのか?
・電話の声だけで情報を伝える。
・実物が見れないので、イメージしにくい。
・相手が忙しいと、話を正確に伝えられない。
・雑音が入り、聞き取りにくい。
など、情報が伝えにくい環境です。
そのためこちらが思っている上に、相手には商品の詳細は伝わっておらず、それゆえテレアポで価格を伝えると、
高い!
と、一蹴されてしまうのです。
テレアポは「すぐ商談終了できる環境」である。
テレアポと商談の違いで忘れてはいけないのが、断りやすさです。
「電話を切る=断る」図式が成立するテレアポは、物理的に断りやすい環境といえます。
(なんか断りたいかも)
・・・あ、今お客さん来たから、ちょっと切りますね、では!
え!?ちょ!?まって・・・
ですので、テレアポで価格を伝えたとき、「高いからいらない」と思われたら、リカバリーする間もなく、電話を切られる可能性が非常に高いです。
対面での商談であれば、断るときも相手の話をへし折って強制退出して頂くことは稀です。
ですので価格を伝え、「高い」と思われても、その後の説明でリカバリーできるのです。
しかしテレアポではリカバリーする間もなくガチャ切り。そのため価格の説明で失敗するテレアポが多いのです。
より詳しいプラン・仕様を聞かれ、ボロが出る。
テレアポで価格を聞かれることは、必ずしも悪い意味ではありません。むしろ、
「価格を聞かれる=導入に向けて、本気に考えている」
と捉えてもいいでしょう。
しかし有難いことに、導入に向けて本気で考えているお客さんほど、価格についてシビアなご質問をされます。
・どういう仕様で?
・なんでそんなに高いの?
・どの部分がいくらなの?
前のめりになってご質問されるお客さんに対し、知識量で負けてしまい、返答に詰まってしまうと、
えっとこの価格の内訳はですね・・・あせあせ
なんで答えられないの?怪しいから、結構です。
と、断られてしまいます。
うっかり答えた価格からボロが出て、アポを取りこぼしてしまう。もったいないですよね。
安い価格を答え、逆に怪しまれる。
「テレアポでは商品の魅力が伝わらないから、安めのプランを伝えておこう!」
と思い、一番安い価格を伝えたら、
安すぎて怪しい。結構です!
と、断られたパターンありませんか?こちらも「テレアポあるある」でございます。
お客様のために安い価格を伝えたのに、「安すぎて怪しい」とはあんまりです。
しかし声しか伝わらないテレアポでは、基本的に「この人怪しい」からスタートしております。
その上さらに予想よりもさらに安い価格を言われたら、
安すぎて怪しい!
となってしまうのですね。
テレアポは最初から疑われている、信用されていないところからがスタートです。
そのため安すぎる価格を伝えても、相場通りの価格を伝えても、いずれにしても否定的に捉えられることが多いのです。
テレアポで価格を聞かれたときの正しい答え方【トーク例】
八方ふさがりである、テレアポの価格問題。
ですがご安心くださいませ。
スクリプトに落とし込めるテンプレート型の回答でありながら、信頼を獲得できる方法があるのです。
「丁寧な回答だが、具体的な回答ではない」がベスト。
テレアポで価格を聞かれたときのベストアンサーは、
「丁寧な回答だが、具体的な回答ではない」
で、ございます。
頂いた質問に丁寧に回答はしますが、価格について具体的な数字では極力答えません。
具体的な数字を使う場合でも、「ただし」の条件付きトークで、その数字が幅があることをニュアンスつけるべきでしょう。
たとえば、月額30万円の採用支援サービスの商材の例で考えてみましょう。
NGなのが、そのまま
価格は、月30万円です!
とズバリ答えてしまうこと。これでは損をしてしまいます。
ですので、価格について、もっと丁寧に答えてあげます。
トーク例)
価格につきましては、一番スタンダードでご案内させて頂いているのが、月額30万円のプランになります。ただし、こちらは弊社からのおすすめプランですので、お客様の状況、ご希望に応じて、プランを充実させることも、逆にシンプルにすることも可能です。たとえば、採用について、まるごとお任せ頂く形であれば、その分の内容をお見積りさせて頂きますし、逆に御社でほとんどご対応頂き、足りない部分を弊社でサポートさせて頂くときは、その分、差し引かせて頂きます。
月額30万円を伝えるだけでなく、
・スタンダードプランで30万円
・上位プランも、エントリープランも用意がある。
・ご要望に沿える形でサービス提供でき、それにあわせて価格設定もできる。
という説明を付け加えてみました。
少々長い説明になりましたが、価格だけ「30万円です!」と言われるより、商品理解が進むので納得感があります。
また価格はデリケートな話題なので、長い説明は「顧客に向き合って、誠実に対応する姿勢」にも映ります。
しかし長い説明になると、「これです!」、という具体性が欠けてしまいます。
もしかすると、正直さが売りなアポインターさんは、胸を痛めてしまうかもしれません。
ですが価格の説明については、これでいいのです。
なぜなら詳しく知らない商品の価格だけ具体的に答えても意味はなく、詳しく知った上で価格を知らなければ意味がないからです。
つまり価格だけ具体的に答えて満足するのは営業側(アポインター側)であって、顧客側からすると、よく分からない商品の価格だけ具体的に答えられても、納得感が少ないので意味がない、ということです。
実は国会答弁が参考になる。
やや極端な例になりますが、分かりやすい例なのが、国会答弁です。
国会議員の答弁は、やたら長い説明でありながら、相手の質問には答えていません。
営業の現場で国会答弁のような回答は「即怒られ案件」になるので、厳禁です。
しかし国会答弁のような、
十分な説明をしっかりすることで、こちらの意図しない解釈を防ぐ
というスタンスは、営業(とくにテレアポ)では大切な考え方です。
価格だけ断言して、伝えた側だけ納得しないよう、ご注意くださいませ。
伝えた側はスッキリしても、顧客は置いてけぼりになってますよ!
価格プラン・仕様は、スクリプトの目立つ場所に。
テレアポで価格を聞かれるのは、よくあること。
ですので、スクリプトの目立つ場所に回答トーク例を記載しておきましょう。
目立つ場所にトーク例があれば、トップアポインターだけでなく、テレアポ初心者でも同等の対応が可能になります。
また有形商材の場合、商品スペックについて、深く突っ込まれることもあります。
アポインターが回答につまづいてしまうと、NGになることも。
この場合はスクリプトとは別に詳細スペック表を手元におき、どんな質問にも即答できる準備が大切です。
まとめ:価格「だけ」断言しない!
テレアポでお客さんから、価格を聞かれることは嬉しいことでもあり、悩ましい問題です。
なぜなら無反応が多いテレアポで反応してもらった喜びと、価格を伝えた結果、即切りされる恐れがあるからです。
これをうまく回避し、お互いのメリットに誘導するには、次のオペレーションがおすすめです。
・商品の魅力が伝わらない状態では、どんな値段も高く感じる。
・テレアポは断りやすい環境である。(電話を切ればすむ)
・丁寧な回答はするが、具体的には答えない。
・価格だけ断言するのではなく、十分な説明で誤解させないことが大切。
たとえ月5000円とお値打ちプランだったとしても、価格だけ断言するのはおすすめできません。
相手によって「高すぎる!」「安すぎて怪しい!」と、損をするケースが多いからです。
価格は数字であり、それ以上もそれ以下もありません。ですので、価格を伝えるときは最新の注意を払うべき。
しかしテレアポは電話を切れば断れる、非常に断りやすい環境であることを考えると、なおさら価格だけの断言は危険です。
せっかくいいテレアポをしても、あと一歩のところでアポを取りこぼさないようご注意くださいませ!