こんにちは。営業代行の河合です。
世の中にオンリーワンな商品はほとんどありません。
ブランディングが確立され、
「○○なら○○!」
「○○なら絶対○○を買う」
とお客様に認知される商品・サービスは少ないです。
多くの企業で差別化を熱心に取り組まれていますが、取引のないお客様にとってあなたの商品・サービスは「その他大勢」になってしまい、魅力が伝わりません。
ですが、例外が1つあります。
それは営業することで
「あなた(お客様)にとってのオンリーワン」
になれることです。
この考え方は、これは差別化しにくい商材を営業するのに役立ちます。
そこでこの記事では、差別化しにくい商材の営業のコツについて解説します。
業界・商材によっては差別化しにくいのはやむ得ないこと。
ならばこそ営業の力を使って、他社を出し抜いてお客様のハートを射止めましょう。
Contents
差別化しにくい業界・商材とは?
どう頑張っても差別化しにくい業界・商材というものがあります。
差別化しにくいものは、次の2パターンに分かれます。
規格などによって品質が決められている商材
規格の決められている工業製品は、他社との違いを感じにくいです。
これらの商材は製造業でよく見かけます。
・工業用オイル、グリス
・素材、材料
・燃料(プロパンガス、ガソリン)
厳密に比較すればメーカーによって品質・スペックはちがいます。
ですがどのメーカー品も規格以上の品質であり、どれも高品質。つまり「どのメーカー品をつかっても問題ない」、と思われることが多いです。
そのため価格競争になりやすく、「見積書=価格勝負でしょ?」との営業スタンスが多いのが実情ではないでしょうか。
またネット関係にも差別化しにくい商材があります。
・スマホの電話回線(docomo、au、softbankなど)
・ネット回線(フレッツ光、au光、NURO光)
・ドメイン取得(お名前ドットコム、ムームードメイン、スタードメイン)
厳密に比較すれば、会社によってサービス内容・フォロー体制、料金プランも全然ちがいます。
しかし一般ユーザー(とくにライトユーザー)にとっては、、どの会社も同じに見えてしまいます。
また代理店サービスもお客様からすれば、どの代理店も同じに見えることが多いです。
・求人媒体の代理店
・保険の代理店
ちがう代理店から購入しても、まったく同じ商品(サービス)が受けられます。
代理店が商材で差別化するのは難しいでしょう。
無形商材で形の見えないサービス(研修・コンサル・代行・証券など)
差別化しにくいのが、形の見えない無形商材です。
無形商材の反対は、有形商材。
厳密に比較すれば無形商材ほど違いが大きいものはありません。
しかし形がないためイメージしづらく、他社との違いがよく分からないのです。
差別化しにくい商材を営業するコツ
差別化しにくい商材を営業すると、
・魅力が伝わらないので、「なんとなくいらない」と判断され、断られてしまう。
・魅力が伝わらないので、価格勝負になって消耗する。
この2パターンに陥りがちです。
しかしこのパターンは消耗するばかりで、いっこうに売上が増えません。
ですので差別化しにくい商材を営業するときは、次のコツを踏まえてみてください。
「商材の魅力は伝わらない」と思うこと。
大前提として覚えておきたいのが、
「商材の魅力は伝わらない」
と思うことです。
差別化しにくい商材のちがいを熱弁したところで、お客様にはミジンコほども伝わらないことがほとんど。
しかもそれだけでなく、
なに細かい話ばっかりしてるの?意味分からない。ちょっとウザいんだけど!
自社商品を熱心に説明していたはずなのに、お客様に怒られてしまう結末に。こんな結末、悲しすぎますよね。
ですので、まずは自覚しましょう。
あなたの商材は、差別化しにくいです。
あなたが思ってるほど、お客様はそこまで品質にこだわっていません。
熱心に説明したくなるお気持ち、分かります。
しかしまずはお客様の目線にたち、同じフィールドで話をするのが先決です。
もっとも差別化できるのは、営業する人のコンテンツ。
ですが差別化しにくい商材でも、決定的に差別化できるものがあります。
イエス、それは「営業する人のコンテンツ」です。これこそ唯一無二の存在。ほかに変えようのない、差別化された、アルティメットなコンテンツです。
仕事ぶり・性格・相性など、担当者の俗人的な魅力。
営業される側を思い出して頂きたいのですが、営業する担当者によって、
・なんとなく相性がいい。共通の趣味があり、仕事以外の話でも盛り上がる。
・仕事以外に接点はないけど、丁寧な仕事ぶりで信頼できる。
・専門分野に詳しく、手厚いフォローで信頼できる。
・話すテンポが同じで、落ち着いて打ち合わせできる。
・一方的な説明ではなく、こちらの課題をよくヒアリングしてくれる。
・同じ空気を吸いたくない。生理的にちょっと無理。
など、いろいろな印象がありますよね。
扱う商材は同じでも、それを売る営業に同じ人は2人とていません。
お客さんは商品を選ぶのと同じくらい、厳しく営業を選んでいるのです。
商品で差別化できなくても、「売る人」はすでにお客様から強烈に差別化されているのです。
差別化するためには、ストーリーを語れ。
しかし問題なのが、営業する人の差別化は、新規営業では伝えにくいこと。
初対面で出会った人に人となりを見て判断してもらうには、時間が足りなすぎます。
私のジェントルな人柄を見てもらえれば、きっと成約してもらえるにちがいない・・・むふふ・・・
さっきからろくに説明しないでニヤニヤしながら雑談ばかり・・・。ちょっとキモイんだけど・・・
ですので、新規営業で差別化をはかるには、ストーリーを語ってください。
・なぜその商品を売っているのか?
・なぜこの仕事をしているのか?
・どんな想いでこの商品を売っているのか?
・お客さんにどうなって欲しいのか?
・業界をどうやってよくしようと思っているのか?
差別化でおすすめなのが、起業ストーリーです。
起業するまでの苦労、大変だったこと。
どうして起業するに至ったのか?
起業したことで、どんな課題を解決したいのか?
これをストーリーで話します。
創業者でない一営業マンでも、創業者のエピソードを語るだけでも効果がありますよ!
余談ですが、私のやっている営業代行も差別化しにくい商材です。
しかし私の起業ストーリーを語ることで、唯一無二のサービスになります。
メリットを伝えるときは、顧客の気持ちに共感してから。
差別化しにくい商材の営業では、ついつい他社とのちがいに熱が入ってしまいます。
しかし一方的な説明はウザがられるだけで、効果が上がりません。
そこでおすすめなのが、メリットを伝える前に顧客の気持ちに共感することです。
・「おっしゃる通り、規格通りなので他のメーカー品でも間違いないかと思います。ただし○○なので、○○な面では他社さんには負けないですよ。」
・「そうですね、どの代理店さんから申し込まれても同じサービスは受けられるとは思います。ただし、だからこそ弊社では○○というサービスをやらせて頂いてまして、その点が○○とは違うところかなと思います。」
・「そうですね、どの企業さんも熱心に取り組んでいるので、どのコンサルを受けても結果は出るのかなとは思います。
ただし○○という点で○○なのは弊社だけ、ですので、○○するならぜひ弊社にご相談をと思います。」
厳密に比較すれば、他社との違いはいくらでもあるでしょう。
しかし前提として、顧客は会社ごとの違いはほとんどないと思ってるケースがほとんど。
ですので、まずは顧客の気持ちに共感するのが先です。
その上でさりげなく自社の魅力を伝えられると、スムーズになります。
ただし顧客は商品・サービスの説明を受けているようで、営業の仕事ぶりを比較しています。
あまり説明に熱が入らないよう、顧客の動向に注意しましょう。
商品は差別化しにくくても、営業は厳しく差別化されている。
「差別化しにくくて、営業しにくい・・・」
というお悩み、じつに多いです。
たしかに業界・サービスによっては他社との違いを明確にできず、価格競争に巻き込まれることが多いです。
しかし商品は差別化しにくくても、営業を受ける顧客は営業する人を厳しく差別化しています。
・この営業の仕事は丁寧か?
・こちらの要望をくみ取ってくれるか?
・よき相談相手になるか?提案をしてくれるか?
ですので、あまり熱心に商品の違いを説明すると逆効果になってしまいます。
「商品を売るな、自分を売り込め!」
とはまさにその通りで、自分という商品こそ、他社が絶対にマネできないコンテンツです。
商品が差別化しにくいなら、自分を売り込み、「あなたから買いたい」と思われるのがコツ。
ぜひ実践してみてください。