こんにちは。営業代行の河合です。
「断られまくるテレアポから卒業したい!」
「効率の悪い飛び込み営業から抜け出したい!」
と思っている方。本当に多いと思います。
テレアポ・飛び込み営業に代表される「プッシュ型営業」は、営業する側・される側ともに負荷が高く、「やらないで済むなら、やりたくない」と思う方が多いのが実情です。
一方でWEBサイトからの問い合わせなどに代表される「プル型営業」は、テレアポのように断られ続けることもないため、人気の高い営業であったりします。
ですが、プッシュ型・プル型営業ともに、どちらもメリット・デメリットがあるので、「どちらか一方が正しい!」とは言い切れません。
効果的な営業プランを作るには、プッシュ型・プル型営業をうまく活用することが大切です。
そこでこの記事では、プッシュ型・プル型営業のメリット・デメリットを解説します。
両者の特徴を知り、安定的な右肩上がりの売上を作っていきましょう!
プッシュ型・プル型営業とは?
プッシュ型営業・プル型営業。それぞれ厳密な定義はありません。
しかしあえて分かりやすくお伝えしますと、
プッシュ型営業 | こちらから営業する。(飛び込み・テレアポ・メール) |
プル型営業 | 問合せを待つ。(WEBサイト・広告・SNS・看板) |
と、思って頂いて間違いありません。
こちらから営業する、プッシュ型営業。
プッシュ型営業とは、その名の通り、こちらからお客さんをプッシュ(営業)させて頂く手法。
代表的なプッシュ型営業として、
・飛び込み営業
・テレアポ(電話営業)
・DM(メール・手紙)営業
・問合せフォーム営業
などがあります。
とくに飛び込み・テレアポは古くから行われており、従来の営業方法とイメージされる方も多いでしょう。
問合せを待つ、プル型営業。
一方でプル型営業は、お客さんからの問い合わせを待ちます。
ただし、ただ待つだけでは問合せは来ないので、「問合せがたくさん来る仕掛け」を作ります。
・WEBサイト
・SNS
・広告(WEB広告、紙媒体)
・看板
自社のことを広く知ってもらい、問合せにつながる導線を作ります。
プル型「営業」とは言うものの、どちらかというとマーケティング要素が強い「営業」です。
プッシュ型営業のメリット・デメリット
従来からあるプッシュ型営業。
これまで多くの営業マンが、プッシュ型営業で酸いも甘いも経験してきたはず。
改めて、プッシュ型営業のメリット・デメリットを分解してみると、次のようになります。
メリット:新規リードを安定的に獲得できる。
プッシュ型営業は、こちらから出向く営業。
そのため営業の量・質をコントロールしやすく、新規リードが安定的に獲得できます。
たとえばテレアポの場合。
獲得できる新規リード数は、次の計算式で求められます。
新規リード数 = アポ率(自社努力で改善できる)×荷電数(自社努力で改善できる)
新規リードの獲得に影響する「アポ率」「荷電数」も、どちらも自社でコントロール可能。
そのため問合せを待つ「プル型営業」に比べ、獲得できる新規リード数のバラつきが少なくなります。
先月10件だった問合せ、今月は3件なんですがっ!?
問合せを待つよりも、お客さんのいる場所に出向く方が確実です。
メリット:短期間で新規リードが獲得できる。
プッシュ型営業のメリットは、プル型営業に比べ、短い準備期間でスタートできること。
極端な話、営業マンさえいれば、その日のうちにプッシュ型営業がはじめられます。
そのため
・独立直後で資金がない。
・新規事業で予算が使えない。
・テストマーケティングで、小さくはじめたい。
といった状況で、プッシュ型営業は有効です。
メリット:大手企業の新規リードも獲得できる。
プッシュ型営業の知られざるメリット。それは大手企業にもアプローチができ、新規リードが獲得できることです。
プル型営業ではリーチできない大手企業も、プッシュ型営業ならチャンスがあります。
上場しているような大手企業は、どの企業も取引したくてうずうずしております。
そのため大手企業には、数多くの提案(プッシュ型営業)が集まります。
あらゆるプッシュ型のアプローチ(飛び込み・電話・メール)を介して提案が集まるので、大手企業ではプル型営業が通用しません。
大手企業との取引を目指すなら、プッシュ型営業。
競合他社のひしめく激戦区では、こちらからPRしていかなければ、なかなか見つけてもらえません。
デメリット:とにかくシンドイ。
プッシュ型営業の致命的なデメリット。
それはひたすらに「シンドイ」こと。これに尽きます。
プッシュ型営業では、必要としない顧客にもアプローチします。そのため断られる数が膨大です。基本、断られます。
・・・営業ですか?結構です!
営業しているだけなのに、なぜかひどい仕打ちを受けるのですが・・・!!
営業マンは何も悪いことをしていません。ただ営業をしていただけなのです。
にも関わらず、稀にきつい言葉で断られることもあります。
シンドイ代名詞でもある、プッシュ型営業。そのハードワークゆえに、
・営業マンが定着しない。
・新人が育たない。
・スキルが蓄積されず、属人化しがち。
など、諸々のデメリットを引き起こしてしまいます。
デメリット:顧客はプッシュがキライ。プルが好き。
安定的にスピード感をもって新規リードが獲得できる、プッシュ型営業。
しかし根本的な問題を抱えています。それは、
「顧客はプッシュ型営業がキライ」
ということ。
つまりお客さんは売り込まれるのがキライなのですよね。
営業のご挨拶まわりしておりまして。
営業!?私に何を売りつけるつもりなの!?結構です!!
大前提として、お客さんは営業がキライ。いえ、「売込まれるのがキライ」なのです。
その意味では、お客さん自ら自由に検討できる「プル型営業」は大好きです。
営業されることなく、自分のペースで比較検討する。この流れは、WEBの普及によって加速しています。
ただし、お客さんは売り込まれるのは嫌いですが、「どれにしようか、悩む」のは大好きです。
ですので、必要ないものを売り込まれるのはイヤなのですが、自分の興味のあることを提案してくれるのは大好きなのです。
え?こんなサービスもあるんだ!ほかに事例はないの?教えて!
・検討するお客さんをサポートする
・第三の選択肢を提案する
という意味では、営業マンの提案(切り返し)も求められていたりします。
お客さんの本当の心をヒアリングするのは難しくもあり、大切なところですね。
プル型営業のメリット・デメリット
近年着目されている、プル型営業。
これまでのプッシュ型営業の致命的なデメリット
「シンドイ」
「お客さんに嫌われる」
を解決できる手法として、普及してきました。
ただし、メリットだけではなくデメリットもあるので、プル型営業に依存しすぎるのは危険です。
メリット:見込み客を自動的に集客できる。
プル型営業の素晴らしいメリット。それは見込み客を自動的に集客できること。
プッシュ型営業では、こちらから営業しなければ、新規リードは獲得できません。
しかしプル型営業であれば、集客の仕組みさえ作ってしまえば、
・少ない人員でも
・定時で帰宅した後でも
・長期連休中でも
自動的に集客し、新規リードを獲得してくれます。これはかなりありがたい仕組みですよね。
ですのでプル型営業は、
・人員リソースの少ない独立初期
・中小企業
・個人事業主
におすすめなのです。
メリット:社員が疲弊しない。
プル型営業で自動化してくれる集客。
じつはこの作業が、もっともストレスのかかるステージだったりします。
プッシュ型営業では、ニーズのない顧客にもアプローチします。
そのため断られることが多く、社員が疲弊します。
毎日100件アプローチして、99件断られる日々。
私の存在価値はミジンコなのかもしれない・・・。
99件断られても、獲得した1件に意味があります。
しかし99件断られるのは、とにかくシンドイのです。消耗するのです。
この状況が続けば、やがて社員はひっそりと消えるように退職してしまいます。
商談に専念できる環境さえあれば、営業マンの待遇は改善できるはずです。
ここで役に立つのが、プル型営業。
問合せを待つのがスタートラインで、ニーズのない顧客にはアプローチしません。
ですので、断られる数も少ないですし、門前払いされることもありません。
同じ新規リードを獲得するのであれば、ストレスの少ないやり方を選ぶのは当然の流れでしょう。
メリット:商談の質を高め、成約率を上げられる。
WEBの普及により、顧客は営業マンに会わなくても情報が得られるようになりました。
最近では営業マンに会うまでに、顧客はサービスの内容をリサーチし、購入の意思決定を固めてしまいます。
令和となった今、営業マンはWEB上でも空中戦を展開しなくてはいけないのです。
WEBを活用した空中戦は、まさにプル型営業。
営業マンに会うまでに、必要な情報を顧客に届け、購入へと誘導します。
そのためプル型営業で獲得する商談は、プッシュ型に比べてホットな状態でスタートします。
・すでに自社のことを知っている。
・他社と比較した結果、自社と話をしてみたいと思っている。
・「売り込みではなく、問合せへの回答」、という絶妙なポジションである。
有利な立ち入りから商談できるので、プッシュ型営業に比べ、成約率も高くなります。
アポを取ったものの、名刺交換で終わるとは・・・!
質の高い商談で効率的な営業を目指すなら、プル型営業は外せない選択肢です。
デメリット:高確率でコンペ(相見積り)案件である。
プル型営業のちょっと痛いデメリット。
それは高確率でコンペ(相見積り)案件であることです。
なぜなら検索しているユーザーは、自社サイト以外にも同様にリサーチしているから。
自社だけに独占的に問合せを出す確率は低いのです。
そのため、プル型営業は、すでに比較された状態からスタートします。
比較されても、なお選ばれる
・営業力
・提案力
・商品力
があれば問題ありません。
つまりプル型で問合せを待つといえど、やはり「営業力」は必要なのですよね。
もちろん、価格での勝負もありですが、これは疲弊しますのでおすすめしません。
デメリット:大手企業へのアプローチが難しい。
ストレスのかかる初期アプローチの必要のない、プル型営業。
これだけで新規リードのすべてがまかなえたら夢のよう・・・ではありますが、残念ながらプル型だけでは足りません。
とくに大手企業の新規リード。
大手企業の新規リードは、プル型営業では獲得しにくいのです。
先ほども申したとおり、大手企業には数多くの提案が集まります。
既存業者がひしめき、さらに新規参入を狙う企業があの手この手でアプローチしております。
ですので、プル型だけで大手企業から問合せをもらうのは、奇跡的な確率になってしまいます。
日本の企業の9割が中小企業、ということを考えても、大手企業からの問合せの難しさが分かりますよね。
待ってもこないものは、待っても仕方ありません。
こちらからプッシュするしかないのです。
デメリット:コンテンツの作成に時間・費用がかかる。
プル型営業は、集客できる仕組みを構築するまでに時間がかかります。
それはプル型「営業」といっても、中身はマーケティング要素たっぷりだからです。
プル型営業の主戦場であるWEB集客を考えても、
・ターゲットの課題、ニーズ分析
・それを解決するコンテンツ作成(写真・テキスト・動画)
・ターゲットに向けて情報発信(SEO、SNSなど)
やるべきことが多く、時間とお金がかかります。
テレアポでは最短1カ月で目に見える効果が出ますが、プル型営業では最短でも半年は待つ必要があります。
「今!」
「この瞬間に!」
「お客様と!」
「取引したい!」
という事情を抱えた方は、プル型だけで攻めるのはおすすめできません。
デメリット:WEBも飽和状態である。
近年注目されているプル型営業。
その主戦場であるWEB集客は、普及しすぎて飽和状態です。
つまり、
「どの企業も素晴らしいコンテンツを持ち、情報を発信している」
という状態なのですよね。
ですので、お客さんは選びきれない状態になってしまいました。
3社とも素晴らしいサービスなのは分かった。
でも弊社にピッタリな1社が分からない・・・。
こういうとき、勝敗のカギとなるのが営業マンのプッシュだったりします。
飽和したWEBでお客さんに選ばれる難易度は上がり続けています。
「こちらからアプローチしなくていいプルにしよっかな・・・」
程度に考えていると、ヤケドじゃすみませんよ。
まとめ:プルを活用すべき。でも最後の一手はプッシュが必要。
「プル型?プッシュ型?どっちにすべき?」
という命題。結論としては、
「プル型を活用しつつ、プッシュ型も忘れない」
が正解です。
新規リードを安定的に獲得するには、プッシュ・プル両軸で爆走するのが大切です。方軸、一本足打法はリスクが大きいですよ。
改めてプッシュ型・プル型のメリット・デメリットを整理します。
【プッシュ型営業のメリット・デメリット】
・新規リードを安定的に獲得できる。
・短期間で新規リードを獲得できる。
・大手企業の新規リードも獲得できる。
・とにかくシンドイ。
・顧客はプッシュがキライ。プルが好き。
【プル型営業のメリット・デメリット】
・見込み客を自動的に集客してくれる。
・社員が疲弊しない。
・商談の質を高め、成約率を上げられる。
・高確率でコンペ(相見積もり)案件である。
・大手企業へのアプローチが難しい。
・コンテンツの作成に時間、費用がかかる。
・WEBも飽和状態である。
「どちらか一方で攻める」ではなく、「両方使いこなす」のが正解です。
ぜひ両軸をまわして、安定的な新規リードを獲得していきましょう!
▽プッシュ型で手堅いテレアポ、おすすめです。
▽テレアポもより戦略的なアプローチが必要です。