こんにちは、河合商事の河合です。
「アウトバウンド(テレアポ)でアポが取れない。」
「次に架電するリストがなくなってしまった・・・。」
「在宅ワークが進み、担当者との接触率が下がった・・・。」
アウトバウンド型の営業は、コロナを境に大きな変化を迎えました。
その1つが顧客の育成(リードナーチャリング)です。
これまで顧客育成は、フィールドセールス(いわゆる営業)が担ってきた領域でした。
しかしコロナの影響により、顧客と気軽に会えない環境に。そのため顧客育成は、インサイドセールスに委ねられている状況です。
インサイドセールスは顧客と対面しない営業手法。そのため伝えられる情報が少なく、顧客育成が難しい。
・・・と感じる方が多いかと思いますが、大丈夫でございます。
インサイドセールスにはインサイドセールスの戦い方があり、適切なコミュニケーションツールを活用することで、これまで以上の成果を出すことも可能です。
この記事ではインサイドセールスを活用し、顧客育成(リードナーチャリング)をするポイントについて解説します。
従来の営業スタイルに限界を感じている方、どうぞ最後までお付き合いくださいませ!
Contents
顧客育成とは?その重要性を知ってるか?
顧客育成とは、今すぐ受注する可能性は低いが、長期的なフォローを継続することで受注率を上げていくフォロー全般をさす言葉。
「育成」と聞くとやや上から目線感を感じますが、それは言葉のあやというもの。決して上から「育成してせんじよう・・・」との意図はなく、むしろ顧客、お客様と一緒になり成長していく。
それが本来の顧客育成でございます。
顧客育成の重要性
顧客育成の大切さが叫ばれるのは、どんな企業の商材であれ、この世に存在する見込み客のターゲット数に限りがあるからです。
無限に枯渇しないリストがあり、永遠にアウトバウンド営業(いわゆるテレアポ)を繰り返せるのなら、ある意味ラクかもしれません。
しかしアウトバウンド営業では、いずれ見込みとなる顧客集団がなくなります。
あれ?こないだも連絡くれませんでしたっけ・・・?
そ、そうでしたね・・・ははh・・
では、失礼します・・・!
(もう営業する先がないぞ)
営業マンにとって、「もう営業する先がない」はこれ以上にない恐怖です。
なぜなら営業先がなく営業できないのに、会社からは「売上上げろ」の指令が下るからでございます。
営業が営業として存在する以上、会社の売上を上げるのが命題。しかし顧客育成のないアウトバウンド営業をしてしまうと、「営業先がないのに、売上を上げないといけない」という、営業として詰んだ状態になってしまいます。
ですので、顧客育成は大切なのです。
限られたターゲットリストを有効活用。ちょっとしたご縁も大切にし、関係を深めながら、お客さんの成功を一緒に見届ける営業をする。
これこそが顧客育成の大切さと、あるべき姿でございます。
顧客育成をインサイドセールスで行う難しさ。
顧客育成は、営業の中でも重要なプロセス。
にも関わらず、これまではフィールドセールス(いわゆる営業マン)がそれぞれが持つ「営業ノウハウ」に委ねられ、なかばブラックボックス化されておりました。
多くの営業マンが「定期訪問」と称して顧客の元に足げよく通ったのは、次の営業プロセスを無意識で実践していたもの。
・小まめに訪問して
・仕事だけでなく、雑談もして
・人間同士の付き合いを深め
・お客さんとの約束を守り、
・信頼を深めていく
お客さんと対面できるフィールドセールスであればこそ、お互いの人間関係・信頼関係は深めることができました。
しかしお客さんと対面しないインサイドセールスでは、このプロセスをこの通りに実践していくと無理があるのです。
インサイドセールスで顧客育成を実施する場合、インサイドセールスならではの難しさをよく理解することが大切になります。
お互いの顔が見えないので、コミュニケーションが取りにくく、深まらない。
インサイドセールスでは、お互いの顔が見えません。
営業も顧客の顔が見えないですし、お客さんも営業の顔が見えません。
ですので、言ってしまえば、
「お互い何を考えてるのか、よく分からない」
状態になっているのです。
人間関係を深めるには、お互い腹を割る必要があります。
しかしインサイドセールスでは非対面で進むため、「あなた本当はなにを考えているの・・・?」との疑念が残りやすく、関係性が深まりにくいのです。
得られる情報が少ないので、ネタが枯渇しやすい。
フィールドセールスで顧客との関係が深まるのは、対面することでより多くの情報が得られるからです。
・視覚情報
⇒年代、体格、服装、所持品
⇒お客さんの好み、趣味などが予想できる。
⇒仕事以外の雑談がしやすい。
・環境的情報
⇒同じ空間を共有することで、一体感が生まれやすい。
⇒本音ベースで話しやすい。
これは営業あるあるかと思いますが、仕事の話って、「検討します」と、意外とあっさり終わってしまうのですよね。
仕事の話だけで完結させていると、本当にあっさり商談が流れていき、受注率が目も当てられない数字になってしまう。
これは多くの営業が経験したエピソードではないかと思っております。
ですので、雑談を踏まえながら、お客さんのインサイト(本音)を探る必要があります。
そこで役に立ったのが、対面営業での情報の多さだったのですが・・・。インサイドセールスでは音声(もしくはテキスト)でのコミュニケーションのため、1会話で得られる情報が少なくなってしまいます。
そのため顧客と会話しても次に繋げられるネタが枯渇しやすく、ついつい
ご検討状況いかがですか?
そうですか、また時期をみてお電話いたします!
を無限に繰り返す結果になりがちなのです。
インサイドセールスで顧客育成する6つのポイント
しかし時代の流れは、確実にインサイドセールスにきております。
なぜならオフィスを訪問しても、もはや担当者がいるかどうか、分からないからです。
会える確率が低い状態でありながら、顧客育成を目的に定期訪問を繰り返すのは、今の状況では苦しいものがございます。
ですので、インサイドセールスで顧客育成までするのです。
インサイドセールスで顧客育成をするときは、次のポイントを踏まえて実践してみてくださいませ。
少ない情報から顧客の現状を予想する。
これはインサイドセールスにおいて、もっとも求められる能力の1つ。
インサイドセールスでは少ない情報から、顧客の現状を予想することが大切です。
たとえば、営業あるあるフレーズ「検討してます!」を例にとっても、
・忙しそうに「検討してますっ」なのか
⇒自社商品の導入で顧客「忙しい」が解決できるポイントはないか?
⇒音声ではなく、テキストコミュニケーションへの切り替えを検討
・興味なさそうに「検討してます・・・」なのか
⇒今、何に興味があるのか、フラットな状態でヒアリング。
⇒顧客の興味にあわせてトーク。
⇒購入まで時間がかかるため、受注KPIを一旦置いといて、情報提供へ。
・ちょっと難しそうに「・・・検討してます・・・」なのか。
⇒なにか引っ掛かっている予想
⇒お客さんがひっかかるポイントを予想し、「ご懸念は○○ですか?」と先回りトーク
同じ「検討してます」のフレーズ1つでも、少ない音声情報から多くの状況を予想することが大切です。
インサイドならではのリサーチ力をフル活用。
インサイドセールスでは非対面ならではの情報の少なさがある一方で、常にデスクに向き合えるメリットもあります。
つまり顧客と会わずとも、WEBリサーチすることで、ある意味、フィールドセールスよりも多くの情報をキャッチすることも可能です。
デジタル時代の今、検索すれば、あんな情報、こんな情報がヒットする・・・というのは、すでにご存じかと思います。
インサイドセールスで顧客育成するならば、育成対象になっている企業の
・公式サイト
・SNS
・求人サイト
・プレスリリース(PR TIMESなど)
・代表インタビュー
など常時チェックし、顧客から教えてもらう前に情報を掴んでしまうのがコツ。
先回りして顧客を理解しようとする姿は、とても誠実にみえ、顧客との関係が深まります。
育成ならば、ヒアリングではなく、顧客の課題解決を提案する。
顧客育成と称し、自社製品を売るための情報をヒアリングし続けるインサイドセールス。これもあるあるかと思います。
しかし本来の顧客育成は、お互いの関係を構築するもの。自社製品を売るためのヒアリングは、顧客育成とは言えません。
「まだ受注の段階ではない企業」であれば、自社の売り込みは一旦さておき、顧客の課題解決を提案するのがおすすめです。
・顧客の予算であれば、うちの製品ではなく、○○がおすすめで・・・。
・○○の課題を解決するなら、うちの製品ではなく、他社の△△がおすすめで・・・。
・○○の課題を解決するなら、うちの製品とか、他社製品でもなく、そもそも□□を解決するのがおすすめで・・・。
自社製品は、顧客の課題を解決するためにあります。それに繋げるのが、顧客育成でございます。
これは応接室での商談ではなく、裏口でお客さんと缶コーヒーを飲みながら雑談交えてフランクにトークしているイメージに近いでしょう。
今すぐ買わない顧客に対し、現状を熱心にヒアリングしても意味がありません。
なぜならお互いの関係が深まらないからです。
お互いの関係を深めるには、相手の役に立つことが一番です。自社製品の受注は一旦置き、顧客の課題解決に専念する。ギブ&ギブの精神が、インサイドセールスでの顧客育成が役立ちます。
文章力を磨き、テキストからも人間性をにじませる。
インサイドセールスでのコミュニケーションは、おもに音声とテキストの2つ。(場合によってはデザインも)
音声からは人間性が伝わりやすいですが、テキストは伝わりにくく、顧客育成の観点からはやや不利・・・と思われてしまいます。
ですがそれは非常にもったいないこと。
なぜなら文章力を磨くことで、テキストからも人間性をにじませることができるからです。
定期的なナーチャリングとして現状把握メールを送るにしても、送信する営業の人柄がにじみ出る方が親近感がわきます。
×:お世話になります。以前ご紹介させて頂いた商品、ご検討いかがでしょうか?よろしければ、最近のご状況伺えればと思い・・・
〇:お世話になります。以前ご紹介させて頂きました商品、○○などご検討されていらっしゃるかと思います。
お話頂いておりました、△△の件、のちほど調べてみたところ、実は私も個人的によく経験していたもので、非常に分かり身が深いものがございました・・・
一度改めてお時間頂きまして・・・・
テキストが味気なく冷たい印象になってしまうのは、文章の表現が乏しく、必要最低限しか伝えてないから。(つまり文章力が不足している)
令和の営業マン、インサイドセールスは文章力を磨くことを強くおすすめします。文章で顧客を惚れされられると、非常に強いですよ!
受注までのステップが用意されていること。
インサイドセールスならではの悩み、「ネタが枯渇する」は、受注までのステップを細分化させることで解決できます。
アポ⇒商談⇒インサイドセールスで顧客育成⇒・・・・
ここで流れが止まってしまうのは、受注までの壁が高すぎて登れていないからです。
インサイドセールスでは顧客情報がキャッチしにくく、育成のネタが枯渇しやすい環境。
ですで、受注までのステップを細分化させることで、顧客との関係が深められます。
・送付資料を複数パターン準備する。(導入、課題解決、他社事例、応用編)
・WEBセミナーに招待する。
・WEB商談をする。
・DM(手紙)、ノベルティを郵送する。
受注までのステップの細分化は、まさにインサイドセールスならではの戦い方。非対面なら非対面なりの勝ちセオリーがあるのです。
履歴情報を管理していること。(SFAの活用)
これはインサイドセールスに限らず、フィールドセールスにも共通して当てはまること。
営業活動の履歴はSFAを活用し、データを全員で共有することが大切です。
SFAにデータを蓄積することで、
・営業活動がオープンになる。
・チームとして顧客育成が可能になる。
・成功、失敗傾向が分析できる。
などのメリットがあるからです。
SFAによるデータ蓄積は、時間がかかればかかるほど、じわじわと効果を発揮していくもの。
ブラックボックス化していた営業データが蓄積するのを見ると、涙する営業もいるはず。(おもに私)
まとめ:インサイドセールスの戦い方で顧客育成を!
これまでフィールドセールスが主に担ってきた顧客育成。
営業DXの加速により、インサイドセールスが担当するケースも増えてきました。
インサイドセールスで顧客育成をする場合、次のポイントを踏まえることが大切です。
・少ない情報から顧客の現状を予想する。
・インサイドならではのリサーチ力をフル活用。
・ヒアリングではなく、顧客の課題解決を優先。
・文章力を磨き、テキストからも人間性をにじませる。
・受注までのステップが用意されていること。
・履歴情報をSFAに蓄積させる。
インサイドセールスで顧客育成することは、そもそもが難しい環境であることを認識するのが第一歩。
その上でインサイドセールスならではの環境を活かし、フィールドセールス以上にバシバシ育成できるのが、インサイドセールスの顧客育成の強みでありメリットであると思っております。
ぜひインサイドセールスでの顧客育成のご参考に頂けますと幸いです!
インサイドセールスをトータル支援!
弊社ではアウトバウンド・インバウンドに対応したインサイドセールス支援をさせて頂いております。
・リストゼロから立ち上げる、アウトバウンドコール(テレアポ型)
・ハウスリスト、反響リストからの、インバウンドコール(顧客育成メイン)
営業・インサイドセールスに関するお悩み、ご相談だけでも大歓迎です。豊富な事例をもとに、アドバイスさせて頂きます。
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